飲食店などで時折見かける中国Pudu Robotics開発のネコ型配膳ロボット「BellaBot Pro」。4月13日に開幕する「2025年日本国際博覧会」(大阪・関西万博)でも数台が活躍している。ただし、その仕事は配膳ではない。記者が見かけたBellaBot Proは、なぜか身体からミストを噴射していた。
実はこのカスタム版BellaBot Proも展示の一つ。浴室機器などを手掛けるサイエンス(大阪市)とUSENによるもので、触れてもぬれないミストを散布し、周囲を涼しくする技術を実演する。
ぬれない秘密はミストの水滴にある。今回のBellaBot Proは、約10ナノメートルの気泡を含んだ数マイクロメートルの水滴を噴霧している。気泡が多く、水の体積が少ないことから瞬時に気化して熱を奪えるため、周囲を濡らすことなく冷感を与えられる。
気泡を含んだ水滴を作るに当たっては、サイエンスがシャワーヘッド「ミラブル」で培った技術を生かした。同社による実験では、ミストに触れた際、体表面の温度が数度下がる結果も出たという。
ミストを噴射するBellaBot Proは「大阪ヘルスケアパビリオン」で3台が稼働予定。移動しながら冷感を届け、暑さ対策に活用するとしている。
9日に実施した報道機関向けの先行公開日「メディアデー」では、大阪ヘルスケアパビリオンの入り口付近で1台稼働する姿を確認できた。実際にミストに触れてみたが、衣類がぬれる様子はなかった。ただし冷却性能に関しては、当日の最高気温が20度前後だったためか、あまり感じられなかった。今後、夏に向けて気温が上がるなか、どれほど効果を発揮するのか注目だ。
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