君は「無限軌道」を知っているかBiz.ID Weekly Top10

世の中には「一般名詞だと思っていたけれど、実は商標登録されている固有名詞だった」というモノがけっこう多い。筆者が最近知って「へー」と思ったのは“テトラポッド”だ。

» 2009年06月04日 13時51分 公開
[杉本吏,Business Media 誠]

 先週のアクセスランキングでは「“最新”Google検索テクニック」が1位に輝いた。2位〜6位には、5月の特集「“有給&残業”攻略法」から5本がランクイン。「アイデアを1件提案すると500円を支給する社内制度と、エクスカーション――ノート1つで100個以上のアイデアを出す方法」を組み合わせれば……などと、思わず皮算用してしまった筆者である。


 文房具の記事を書いているときに気付かされることが多いのだが、世の中には「一般名詞だと思っていたけれど、実は商標登録されている固有名詞だった」というモノがけっこう多い。

 こういうモノは、たいていはその分野のトップシェア製品だったり、初めてその市場を切り開いた製品だったりする。例を挙げるなら、米3Mの「ポスト・イット」や米Tupperwareの「タッパー(ウェア)」なんかがそうだ。「ホッチキスもそうでしょ?」と思っている人も多いが、文房具分野での商標登録はすでに失効しているそうだ。

 最近知って「へー」と思ったのはテトラポッド。これは不動テトラの登録商標で、一般名詞では「消波ブロック」と言うらしい。また、それ以前の問題として、筆者はテトラポッ“”だとばかり思っていた。Googleで「テトラポッド」で検索すると「もしかして:テトラポット」と言われてしまうくらいだから、筆者と同じように勘違いしていた人も多いのではなかろうか。

 こうしたモノについて書いたり話したりするときに難しいのは、たとえ正しい一般名称を使ったとしても、説明なしでは相手に通じにくい点だろう。「消波ブロック」くらいなら字面で理解してもらえるかもしれないが、会話で「ショーハブロック」と言ってもまず伝わらない。

 そういうわけで、誤りだと知っていても筆者は「テトラポット」と今後も言い続けるだろう。もちろん正しい名称は知識として知っておくべきだと思うが、それで相手に伝わらないようでは本末転倒だ。この場合は、タネを明かして「実はテトラポッドなんですけどね」とした方が話も弾むだろう。

 ちなみに、キャタピラ(キャタピラー)の一般名詞は「無限軌道」。こんないかつい正式名称で呼ぶことは決してないと断言できる。だってカッコよすぎるだろう、無限軌道。

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