iPhoneアプリで自分だけのフレームワークを作ってみる最強フレームワーカーへの道

オリジナルの思考ツールを頭にインストールしたビジネスパーソンは強い。iPhoneアプリ「仕事効率化Tips-最強フレームワーク100」を使って、自分だけのフレームワークを持ち歩いてみよう。

» 2010年03月15日 14時37分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]
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 ビジネスパーソンがフレームワークというものに触れる機会が増えてきた。戦略立案、業務のカイゼン計画、アイデア発想など、さまざまなビジネスシーンでフレームワークは有効だ。フレームワークは、いわば考え方の「枠組み」であり、先人たち(主に学者やコンサルティング会社)が知恵を絞って、分析や戦略のためのノウハウを可視化したものだ。

 今回は、拙著『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』のiPhoneアプリ版である「仕事効率化Tips-最強フレームワーク100」(キャンペーン価格600円、定価1200円/カテゴリー:リファレンス)を使って自分なりのフレームワークを作ってみようと思う。既存のフレームワークもいいが、自分の業務や業界に合わせて、もっと使いやすいフレームワークをお持ちのビジネスパーソンもいるだろう。そうしたオリジナルフレームワークをいつでも、どこでも取り出せて仕事に活用できれば、生産性も向上するに違いない。

 では、このアプリの機能を簡単に紹介しておこう。アプリを立ち上げると、100個のフレームワークがカテゴリー別に分類されている。ビジネス戦略に使えるもの、カイゼンや時間管理に使えるもの、マーケティングやアイデア出しに使えるものなど5種類だ。カテゴリーをタップすると、収録されたフレームワークの一覧を見ることができる。筆者として特におすすめなものにはマークがついている。また、自分でブックマークをつければ、一覧表示画面にスターマークが付く仕組みだ。

カテゴリーをタップすると、そこに分類されたフレームワークが一覧表示できる。オススメマークは筆者の推薦、★マークはユーザがブックマークしたものだ。「アイデア」というキーワードを含むすべてのフレームワークを検索したところ

 書籍とは違い、アプリではキーワード検索が容易なので、「アイデアに関するフレームワークは何があるか?」というような調べ方をするには便利だ。複数のフレームワークを横断的にチェックすることで、自分に合ったスタイルも見つけられるだろう。

 肝心のフレームワークの解説は書籍と同じだが、画像のみをタップして拡大表示したり、関連するフレームワークから目的のフレームワークにジャンプできるのも便利だと思う。

(左)「アイデア」というキーワードを含むすべてのフレームワークを検索したところ。(中央、右)各フレームワークの解説画面。図はタップすると拡大表示でき、「関連するフレームワーク」なども横断的に閲覧できる

オリジナルフレームワークを登録する

 さて、ここからが本題だ。このアプリの「ユーザフレームワーク」という機能を使って自分だけのオリジナルフレームワークを登録してみよう、というのが今回の趣旨だ。

 まずは登録するフレームワークの画像を用意する。筆者はPowerPointで図形を作ることが多いので、PowerPointで作ったスライド上の図を選択して、[図として保存する]。ここで注意してほしいのは、PNGで保存する場合は、背景が抜けてしまうこと。スライド上で白い背景を敷いておくか、あるいはJPEG形式などで保存するようにしたい。

 画像ができたらiPhoneに送っておく。続いてiTunesで自分のiPhoneを選び、画像タブから同期するフォルダを選択して、同期させる。同期させた画像データはすべて、iPhone側の「写真アルバム」の中に入っている。

PowerPointで作成したオリジナルのフレームワーク(「アイデアの4分類」)を選択し、図として保存。保存した図はiTunesを使ってiPhoneの「写真」を同期させて転送する。転送した画像データはiPhone側の「写真アルバム」に格納されている

 ここまでできたら、アプリから「ユーザフレームワーク」をタップして、新規追加ボタンで登録画面を表示。キャッチコピー(「○○の時に使う!」というような自分に分かりやすい説明を入れる)、フレームワーク名、画像名、説明文を入れる。画像はカメラで手描き図などを撮影してもよいが、今回は、さきほどの「写真アルバム」から選択して登録。事前に説明文などがあれば、Wordなどの文書をメールやオンラインストレージなどでiPhoneに送り、文章をコピーしておけばよいだろう。もちろん、それほど長い文章でなければ登録時に直接記入すればよい。

 すべてを登録したら、右上の完了ボタンをタップする。これで終了だ。ユーザフレームワークの一覧に、自分で登録したものがオリジナルフレームワークとして表示されている。

「ユーザーフレームワーク」を新規作成する。キャッチコピーやフレームワーク名は必須項目となっている。画像タイトル、説明文は任意だが、図がないとフレームワークとして面白くもないので、写真アルバムから、さきほどPowerPointで作成した図を選択して取り込む

できあがった自分だけのフレームワーク。「ユーザーフレームワーク」の一覧にも表示されている

 フレームワークを使う究極の目標は、既存フレームワークでは解決できない部分に対して、自分なりのオリジナル思考ツールを構築するところにある。そのためには、まずは既存のフレームワークを使いこなし、自分に合った形に改訂していくべきだ。

 オリジナルの思考ツールを頭にインストールしたビジネスパーソンは強い。ぜひ、読者の皆さんも「自分なりの考え方」「チェックリスト」「本や雑誌で見つけた新しいフレームワーク」をどしどし登録して、持ち歩いてほしい。

著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)

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 知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。

 リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。

 近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。

連絡先: nagata@showcase-tv.com

Webサイト: www.showcase-tv.com

Twitterアカウント:@nagatameister


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