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» 2012年02月22日 14時30分 公開

冬の節電DIY:冬の節電に役立つのは石油ヒーター? エアコン? 4LDKのマンションで検証 (2/2)

[奥川浩彦,Business Media 誠]
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やっぱり石油ファンヒーターは「低コスト」だった

 まずは石油ファンヒーター。条件を近づけるため、エアコン下に石油ファンヒーターを設置してエアコンの左右方向の風向きと石油ファンヒーターの向きを同じにした。

 測定は、まず石油ファンヒーターの温度設定は22度、エアコンは石油ファンヒーターの実測値を参考に25度とした。スタートから40分のところでサーキュレーターを稼働し、その効果も検証。1時間経過したところで実験を終了している。温度の計測は、天井から15センチ下(最上段)、そこから80センチ間隔で上段、下段、最下段とし、上段は床から175センチ、下段は床から95センチ、最下段は床から15センチとした。

 もともとの室温は19度前後だったので、最下段だけ15度と低くなっている。この時の外気温は2.5度。石油ファンヒーターのスイッチを入れ2分ほどで温風が吹き出す。最上段、上段、下段の温度は従来1度くらいの差があったが、その差が2度くらいに開き、室温が25度前後まで上昇。20分を過ぎたころから出力が弱くなり、1度ほど温度が下がった。

 最下段の温度は、15度から19度まで上昇して安定状態となった。40分過ぎからサーキュレーターを稼働すると、最上段〜下段は24.3度に収束し、最下段の温度も1度上昇した。

 灯油の消費量は、正確に測れないと覚悟しつつデジタル体重計を使用した。0.1キロ単位の表示なので、コピー用紙を用いて桁を補完した。コピー用紙が30枚で100グラム(キッチンの計りで計測)。3枚で10グラムとし、燃焼前の石油ファンヒーター全体の重さが18.6キロ。コピー用紙3枚を足したところで18.7キロとなったので推定18.69キロだ。

 燃焼後は18.4キロにコピー用紙6枚を足したところで18.5キロとなったので推定18.48キロ。燃焼量は0.21キロ。灯油の比重を0.8として、0.168リットルの消費となる。かなり精度は怪しいが一応の目安とした。

 結果は、石油ファンヒーターの消費電力が点火して加熱するまでの2分間で約570ワット。点火後は強運転で26ワット、弱運転で18ワット。1時間の稼働で0.045キロワットアワーとなった。コストの計算をすると灯油代が13.9円、電気代が1円で合計14.9円だった。

エアコンが最も省エネ……のはずが

 次はエアコンだ。エアコンの温度設定は25度。開始しばらくはアイドリング状態が続き、徐々に消費電力が上がり送風が始まる。最初は温風が出てこないため、部屋の空気がかき回されたせいか少し温度が下がっている。5分ほどで消費電力がグッと上がって温風が吹き出し室温が上昇。最上段が25度に達したところで少し安定状態となった。上段の温度は24度、下段は21度、最下段はほとんど温度上昇がなく16度、電力は700ワット前後で推移した。

 40分を過ぎてサーキュレーターを稼働すると、5度近くまで広がっていた最上段〜下段の温度差が24度に収束。最下段も16度から18度くらいまで上昇した。石油ファンヒーターより上下の温度差が大きかったのでサーキュレーターはかなり効果的だ。ちなみにサーキュレーターの消費電力は20ワット程度。11時間稼働して1円なので、エアコンと併用すれば上下の温度差を減らし暖房効率を上げられる。

エアコンは外気温2度の暖房効率も要チェック

 2つの実験で最終的に部屋上部が24度くらいで収束した。似たような暖房をしたとしてエアコンの消費電力を確認すると、0.71キロワットアワーとなった。22円で換算すると15.6円。「あれ、石油ファンヒーターの方が少し安い……」という意外な結果だ。

 その理由として、体重計を使用した灯油の消費量の計測があやしいと疑ったが、石油ファンヒーターのスペックを見ると、最大燃料消費量が0.334リットル/時、最少燃料消費量が0.079リットル/時。今回の0.168はそこそこ実感にはあった数値だ。

 次に考えたのは外気温の影響だ。この日は外気温が2.5度と低かった。エアコンの効率は外気温が下がると落ちる。暖房COPは外気温が7度という条件の数値で、最近のエアコンのカタログには外気温2度のときの暖房能力と消費電力が記載されている。

 通年エネルギー消費効率(APF)が6くらいの機種の暖房COP値は5くらい。その機種の外気温2度の暖房COP値は3くらいとなる。何機種か計算し平均を取ると約60%に効率ダウンするようだ。筆者宅のリビングの古いエアコンの暖房効率は4くらい。60%に効率ダウンすると2.4となる。エネルギー計算で求めた1キロワットアワーのコストを再計算すると効率2.4のエアコンは22円/2.4=9.1円。灯油の8.1円より少し劣る計算となり実験値にそこそこ近い値となった。

 正確な実験ではないが、古いエアコンで外気温が低い場合は石油ファンヒーターの方がわずかに省エネ(省コスト)という結果はまずまず正解だと思われる。最新のエアコンなら外気温2度でも3倍の効率があり、石油ファンヒーターより少し省コスト。外気温が氷点下になると最新機種でも石油ファンヒーターに軍配が上がりそうだ。両方お持ちの人は外気温によって使い分けると理想的だろう。

 節電という視点で見れば今回の比較は1円と15.6円で圧倒的に石油ファンヒーター有利だが、暖房コストは外気温に左右されるためそれぞれの環境で異なる結果となりそうだ。

 消費電力や節電とは直接関係ないが、別途測ってみるとエアコンの吹き出し口の温度は50度前後、石油ファンヒーターは70度前後となる。石油ファンヒーターが点火したときの「暖かい」という間隔は、エアコンより数段上だ。逆にエアコンは安全性で勝っているし灯油を買いに行く手間も不要。筆者は気にならないが灯油は臭いという面もある。効率以外の側面も考慮する必要があるだろう。

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