華僑に貧困層がいない理由一生お金に困らない「華僑」の思考法則・最終回

華僑は子どもが幼いうちからお金儲けの方法を教えます。徹底したマネー教育が、華僑に貧困層がいない理由にもつながっているのです。

» 2014年02月12日 10時00分 公開
[大城太Business Media 誠]

集中連載『一生お金に困らない「華僑」の思考法則』について

 本連載は、2013年10月31日に発売した大城太著『一生お金に困らない「華僑」の思考法則』(日本実業出版社)から一部抜粋、編集しています。

 日本人だからこそ分かる華僑の行動法則。大物華僑の元で超実戦的な修行を積み、独立した初年度から年商1億円を稼ぎ出した著者が、自らが実践し、成果を出した「華僑の思考法則」を紹介します。

 破天荒な行動には理由がある。「スケジュールは常に空けておく」「とにかく“借り”をたくさん作る」「人を見るときは目ではなく、口を見る」「嫌いな人にこそ接近する」「ペットは好きでなくても飼う」──など、日本人にとっては「?」な華僑の常識。しかし、この思考法則や行動の由来をひも解くと、もうけにつながる驚くべき「人間の本質」が見えてきます。

 書籍では、門外不出といわれる華僑流の考え方をお金、仕事術、時間の使い方、コミュニケーション法、人脈術に分けて紹介している。華僑の元で修行をした著者だからこそ書ける、日本人には思いもよらない成功法則が満載。


 華僑に貧困層がいない理由の1つに、徹底したマネー教育を挙げたいと思います。

 華僑は子どもが幼いうちからお金儲けの方法を教えます。親が伝え話すだけでなく、実際にお金儲けを体験させてお金儲けの仕組みを理解させるのです。例えば「フリマ転売」。これは私も、私の子どもが小学校に上がる前から教えています。

子どもの頃からマネー教育

 ネットオークションサイトを見せて、オークションの仕組みを教える→子どもが興味を持つオモチャを探し、その値段をノートに書き写させる→フリーマーケットへ連れて行き、同じオモチャがオークション価格よりも安く売っていたら買わせる→ネットオークションに出品させる→売れたら儲かる→自分で儲けたお金で欲しいものを買わせる

 いま子どもたちは小学生ですが、月決めの小遣いは与えていません。また為替の仕組みを教えるために、上の子には中国元でお年玉をあげて為替レートをチェックさせています。近年の円安によってかなり儲かったはずです。

 さらに華僑の場合は論語教育もマストですから、皆一様に口が立ちます。私のビジネスパートナーの青年はまだ20代半ばですが、ディベート好きの私でも彼には言い負かされてしまうほどです。子どもの頃からビジネスセンスを磨き続けている華僑が実際のビジネスに強いのは、当然の成り行きというものですね。

成功者が仲間にお金を分ける

 最後に、お金持ちでなくてもお金に困らないという華僑の不思議を解き明かしましょう。

 年収500万円前後の仲間うちから1人だけが大成功して年収100億円になったとします。もしあなたが成功者なら「100億儲けた」と周囲に吹聴するでしょうか?

 バブル時代ならいざ知らず、いまの日本では俗に言うネオヒルズ族のようにわる目立ちするのを恐れ、また有象無象の人々がお金に群がるのを嫌って、隠そうとするのが一般的ではないかと思います。

 対して華僑の成功者はお金を持っていることを隠さないどころか、親族はもちろん友だちにも分け与えます。誰かが一発成功したら、仲間全員があやかれるのです。

 なぜそんな大盤振る舞いをするのかというと、華僑にとってはお金よりも面子が大事だからです。お金を分けた仲間たちが「あの人のおかげでいい暮らしができるのだ」と周囲に触れまわり、成功者はますます尊敬されて面子が立つというわけです。

 華僑グループの中では誰がお金を持っているか、誰の後押しで成功したのかなどの情報が筒抜けですから、成功者は後押ししてくれた恩師にも当然お礼をしますし、恩師の面子を立たせる意味でも仲間にお金を分けることは避けられません。

 逆にお金を隠せば拝金主義者として誰からも相手にされなくなり、文字通りの一発屋で終わってしまいます。だからお金持ちは常にお金を回し、お金持ちでない仲間たちも生活に困るようなことはないのです。

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