富士ゼロックスも専用紙方式のデジタルペン、0.1ミリ間隔のドットで新聞サイズの文字も認識:仕事耕具
富士ゼロックスは、専用紙方式のデジタルペン「Denshi-Pen」を発売する。0.1ミリ間隔で0.1ミリのドットをレイアウト。新聞程度(5ミリ四方)の文字サイズであれば読み取れるという。
富士ゼロックスは、手書き情報入力システム「Denshi-Pen」と、業務で使う帳票をDenshi-Penで使用できるようにカスタマイズするソフト「Denshi-Pen Form Solution 1.0 J」を12月9日に発売する。価格はDenshi-Pen本体が1万479円、ソフトのDenshi-Pen Form Solution 1.0 Jが5万2290円。
Denshi-Penは、ドットパターンを印刷した専用の用紙を利用するデジタルペン。同様の方式はスウェーデンのAnoto Group ABが開発した「アノトペン」の「アノト方式」が有名だが、富士ゼロックスでは「独自に開発した」という。ただしDenshi-Penでもアノトペンのように本体の先端にはデジタルカメラを搭載し、専用紙のドットパターンを読み込みことで、書き込んだ筆跡の位置情報を取得する仕組みは同じだ。
異なるのは専用紙のドットパターン。アノト方式では0.3ミリ間隔のドットだったが、Denshi-Penでは0.1ミリ間隔で0.1ミリのドットをレイアウト。富士ゼロックスによると、新聞程度(5ミリ四方)の文字サイズであれば読み取れるという。なお、専用紙の印刷は当初富士ゼロックスの一部複合機からのみ可能だ。
本体には約120Mバイトのメモリを搭載し、約8万字の情報を保存できる。PCとの接続方式はUSB 2.0のみで、Windows XP/Vista/7をサポートした。手書き文字の形状だけでなく、筆順も把握することでOCR時の文字認識率を約80〜90%に向上させたという。「一般的な手書き文字認識率は、通常のOCR処理では約40〜50%」(富士ゼロックス)。
ボールペンとしても利用可能で、ボール径は0.7ミリ。リフィル(替え芯)にはトンボ鉛筆のBR-VSが利用できるほか、多色ペンやマルチペン用の4C互換リフィルであれば交換可能だ。キャップ装着時の本体サイズは164×15ミリ(全長×直径)、重さは約40グラム。単四形1本で動作する。
Denshi-Penは当面法人向けのみの提供で店頭販売は行わない。富士ゼロックスでは「PCを持ち込めない保守点検、生産工程管理現場などでの業務で、日ごろ使っている帳票をそのまま利用するため、これまでの作業や業務プロセスを変更することなく電子化できる」としている。
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