クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

2019年読まれた記事ランキング池田直渡「週刊モータージャーナル」(2/7 ページ)

» 2019年12月30日 07時10分 公開
[池田直渡ITmedia]

第2位:Mazda3国内仕様試乗で判明した「ちょっと待った!」

マツダMAZDA3

 前項で述べた、ディーゼルの初期応答の問題を指摘した記事。珍しくマツダファンからの罵詈(ばり)雑言コメントをいただいた記事でもある。しかし今は心底書いて良かったと思っている。それは記事を読んで発憤したマツダのエンジニアの奮闘によって、CX-30に積まれるユニットが改善されたからだ。MAZDA3のディーゼルは多分年次改良まで保留になるだろう。制御が変われば、国交省に届け出る燃費や排ガスの数値が変わる。認証の取り直しだ。

 すでに購入したユーザーの方達からはソフトウェアのアップデートを望む声が上がるのは分かる。しかし国交省の行政指導では、リコールやそれに準ずる不具合の修正でない限り、一度型式を取得したクルマを、機能向上のためにプログラム変更するのは許されないことになっている。そういうルールは変えるべきだと思うが、現状ルールはルール。仮にマツダがそういう声に応えたくとも、少なくとも建前上はできない。

第3位:マツダの決算 またもや下がった利益率の理由

マツダMAZDA3

 トップ3は全部マツダの記事だった。3月の本決算における業績で、マツダは利益率2.3%と極めて厳しい現実を迎えた。その原因は北米での不振であり、それを打ち消すために販売書奨励金をばらまいてしまった結果だ。

 後日談として今年の第2四半期の決算を見ると、前年同期の298億円という商品売上(含む販売奨励金)を600億円に倍増させており、本決算で述べた反省は着実に実行されていると筆者は見た。その辺りは藤原副社長へのインタビュー記事で深掘りしているので、興味があれば是非一読して欲しい。

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