これは別にサボっている人を擁護するわけではない。「サボっているかどうか」という仕事の「プロセス」部分ばかりを気にするあまり、本来重視すべき仕事の「成果」を見失っていやしないか? と申し上げているのだ。サボっていても成果を出せていれば問題ないし、サボらず真面目に勤務時間をいっぱいまで使って仕事に精を出しても、最終的に成果を出せないならばそれは問題だ。すなわち、サボることを過剰に問題視する会社や経営者・管理職は……
というような状況であることが想像される。いわば、手段(サボらず真面目に働くこと)と目的(成果を出すこと)が入れ替わっている状態なのだ。
モノづくりや販売など、「投入した時間」がある程度成果につながる仕事を除けば、多くの事務仕事の成果は「時間」ではなく「結果」で測られるべきだろう。こなすべき仕事量が一定であれば、「ダラダラ残業しながら10時間かけてやる人」と、「効率的に進めて6時間で終わらせる人」では後者のほうが明らかに結果を出している。しかし、これまでの「オフィスに出社し、9時から17時まで仕事をする」スタイルの働き方では、前者のように残業したり休日出勤したりして、いかにも「常に仕事に取り組んでいる」様子を示すことが「仕事熱心」と捉えられてしまう。逆に効率的に仕事をすると「手抜きしている」「ヒマそう」と判断され、かえって「手が空いてるならこれも」とさらに仕事を積み増されるなど、割に合わない目に遭うことも少なくないようだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング