クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向
連載
» 2020年11月02日 07時00分 公開

池田直渡「週刊モータージャーナル」:やり直しの「MIRAI」(前編) (2/8)

[池田直渡,ITmedia]

 メカニズム的には、水素から発電するフューエルセル(FC)スタックを運転席の下にレイアウトし、インバーターとモーターをフロントに置いて前輪を駆動するシステムを採用した。リヤシート下とトランクには大小2本の高圧水素タンクを配置し、さらにリヤシート背後にバッテリーがマウントされる。

 つまり、前後シートが臓物に持ち上げられて着座点が高くなる。そのためパッケージは必然的に上背が高くなり、全体にずんぐりとした体躯(たいく)に仕立てざるを得なかった。プリウスで手掛けたエコカーの形を意識しつつ、一方で革新的動力源を持つクルマとしての形を打ち出さなくてはならないという課題への悩みが見て取れる。

初代MIRAIのシステム構成。フロントモーターフロントドライブとなっていた

 新型では、このユニット配置が全面的に改められた。それはおそらく商品としてのMIRAIの方向性が決まったということだろう。デザインを見れば一目瞭然。初代から翻って、ワイド&ローなシェープを目指した。かっこ悪い高額商品は売れない。スタイリッシュであることは高額商品にとって重要な商品価値だ。新型MIRAIはプチ富裕層にターゲットを絞り込み、ひと昔前の言葉で言えば「威張りの利く」クルマへの生まれ変わりを図っている。

 シャシーにはクラウンやレクサス系FR車に採用されるTNGA世代のGA-Lプラットフォームを用い、それに合わせて、システムの配置は根本的に見直された。

 心臓部であり発電を司るFCスタックは、刷新されて第2世代となった。容積で22%小型化されつつ、電力供給能力を114kWから128kWへと向上させている。初代のシート下から移設されて、従来フロントに配置されていたインバーターとセットでボンネット下に収められる。

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