会社員にとって「出向」は、左遷と受け止められていました。
その“左遷”といわれてきたものを、「会社の生き残りをかけて大規模に行う」と発表したのが、ANAホールディングスです。報道によれば、2022年度までにグループ全体の社員数を約3500人削減する予定で、採用中止や定年退職による自然減に加え、400人以上の社員をグループ外の企業に出向させるといいます。
すでにその傘下の全日本空輸(ANA)が、従業員の年収を約3割減にするなど、大胆なコスト削減に踏み切ることが判明していましたので、「ANAショック」と呼ぶ人や、「社員たちのプライドが持たないんじゃないか」などと、世間ではネガティブに受け止められているようです。
でも、「出向」は決して悪くない。というか、これぞ「現在窮乏将来有望」(言葉の真意は追って説明)ではないか、と。向き合い方次第では「栄転」にさえできてしまう。「他社出向」は、アフターコロナでの企業の成長と個人の成長への布石になるだけではなく、「新しい職務保障・雇用の流動化」になると期待できます。
というわけで、今回は「他社出向」について、あれこれ考えます。
ワタミは違法残業、勤務記録改ざんも…… 問題企業のトップが見ていない、過重労働の現実
ボーナスは“特権”か 「低賃金で何が悪い?」正当化され続ける非正規格差
賃金は減り、リストラが加速…… ミドル社員を脅かす「同一労働同一賃金」の新時代
単なる“ワーク”と化す? 「ワーケーション」普及が幻想でしかない理由
「もう、諦めるしかない」 中高年化する就職氷河期世代を追い込む“負の連鎖”Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング