コロナ禍で売上を落とす企業が多い中にあって、売上増の快進撃を続けている家電、生活用品を製造販売するアイリスオーヤマ。それを支えているのが大手家電などから転職してきた中途入社組の人材だ。これまで東芝を早期退職して、2016年からアイリスに入社した武藤和浩テレビ事業部長や「ナノエアーマスク」を開発した岸美加子ヘルスケア事業部長を取り上げてきた。両名ともアイリスという新天地で活躍している。
彼らをやる気にさせる人材活用術やノウハウについて、前編では家電開発部の原英克・執行役員部長に中途採用者に求める資質などを聞いた。
後編では中途採用を担当している佐藤祥平・人事部採用人材開発部リーダーに活躍する志願者の見分け方などを聞いた。
――アイリスの最近の求人数はどうか。
最近はいろいろな会社に勤めていた人からの応募が多い。早期退職した人などもいる。メディアの露出も増えているので、売上が伸びている会社ということで増えているのではないか。直近は月3000人もの応募があり、コロナ禍でも増加している。
――オンライン面接が増えているようだが、特に気を付けている点は何か。
2016年ころから遠隔地コースという形で地方の大学生などとオンライン面接をしてきた。その経験を踏まえても、やはりオンラインでは応募者の気持ちが分かりづらい面がある。特に話す姿勢には、応募に対する意欲が表れるので注意深く観察している。
最近は画面の横にカンペを置いてオンライン面接をする人がいるが、こういう人は基本的に採用しない。想定外の質問をした時に、行き詰まることが多い気がする。行き詰まってはいけないというわけではないが、自分の考えを答えられない人は採りづらい。
――中途採用担当リーダーとして、「こういう人は採らない」という基準はあるか。
面接する中で、前職の組織や上司について不満を持ちすぎている人は黄色信号だ。技術的な経験スキルがある人で、将来的に自分の能力を試したいというような前向きな人は採りたい。
(前編記事で)原部長が述べた「うっぷん」をぶつけるような人は良いものの、不満が出る人はそれが原因で転職しているかもしれず、好ましくない。転職回数の多い人は、辞め癖がないかどうかも見極める。辞めた理由を聞いた途端に言い繕おうとするなど表情に不満などネガティブな心情が出てくる人は要注意だ。
――「うっぷん」と「不満」との違いは何か。
うっぷんは、「こういうことをやりたいが、会社の特性上できなかった。それを爆発させたい」というようなものだ。一方、「不満」はグチでしかない。
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