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トレーラーハウスも登場、“働く場所”をどう選ぶ? シェアオフィスのカタチを探る三井不動産の戦略アフターコロナ 仕事はこう変わる(2/3 ページ)

» 2020年12月11日 07時00分 公開
[加納由希絵ITmedia]

 その変化とは「1人用個室」の需要拡大。11月末時点で、1人用個室の総利用時間は1年前の約3倍に増加しているという。

 その背景には、テレワークに伴ってオンライン会議が普及してきた事情がある。オープンなスペースだと防音やセキュリティの面でオンライン会議には不便だ。また、家族がいる自宅では、なかなかオンライン会議に適した環境を確保できないという課題もある。

 ワークスタイリングSHAREでも1拠点あたり10〜15室の個室を備えているが、それでも足りない状況だ。会員からも「予約が取りにくい」という声が寄せられているという。出原氏は「在宅勤務が広がって、課題を感じている人が多い。自宅の近くで個室を利用するニーズがあると考えた」と説明する。

ビルがなくても提供できるモビリティタイプも用意

 そういったニーズに対応するために、個室特化型の拠点展開を始めた。郊外を中心に展開するワークスタイリングSOLOは、2種類の形態で働く場所を提供する。一つが「ビルインタイプ」、もう一つがトレーラーハウスを活用した「モビリティタイプ」だ。

 基本的にはSHAREと同様にビルインタイプを展開していくが、移動が可能なモビリティタイプをあえて開発したのは、「空いているビルがなくても、スピード感をもってワークスペースを提供したい」(出原氏)からだ。コロナ禍で需要がどんどん変化する中で、時間はかけられない。新しいニーズに素早く対応できるように、モビリティタイプを用意した。

「ワークスタイリングSOLO」ビルインタイプ(新百合ヶ丘)
「ワークスタイリングSOLO」モビリティタイプ(ららぽーと柏の葉)

 ビルインタイプは12月8日にオープンした新百合ヶ丘(川崎市)を皮切りに、藤沢、府中、三軒茶屋、中野などに展開予定。モビリティタイプは現在3拠点で、「アーバンドック ららぽーと豊洲」(東京都江東区)、「ららぽーと柏の葉」(千葉県柏市)、「三井アウトレットパーク多摩南大沢」(東京都八王子市)の敷地内に設置している。料金は10分280円。

 では、ワークスタイリングSOLOの施設はどのようなものなのか。個室特化型というと、個室がただ並んでいるだけの空間を想像するが、梅中氏によると「集中とリラックスのメリハリをつけて1日中過ごせる空間にしている」という。

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