「デュオリンゴロゴロ、デュオリンゴロゴロ、ゴロゴロしながら英語が学べる」
これは、英語をはじめとした語学学習アプリ「Duolingo」(デュオリンゴ)がキャンペーンに使用したキャッチフレーズだ。2020年末から21年始にかけて「ゴロゴロしながら英語が学べる」をテーマに、プロモーションを行った。
Duolingoは、世界各国で約5億人が利用している語学学習アプリだ。以前から日本でも使える状態だったが、20年8月に初めて、日本専任の担当者が着任した。Duolingo Japan Country Manager 水谷翔氏だ。
日本版の担当者は1人のみ。そのような中でも、水谷氏が主導するマーケティング活動により、わずか7カ月で新規ダウンロード数は2.5倍に増えたという。
ユーザー増加の一端を担った年末年始の施策の「ゴロゴロしながら英語が学べる」というキャッチフレーズには、水谷氏の「マーケティングリサーチの結果」が詰め込まれている。「全てのキャンペーンがうまくいっているわけではない」と話す水谷氏。トライアンドエラーを繰り返す中で、どのような伝え方をすれば日本でDuolingoが魅力的に受け入れられるかが分かってきたそうだ。詳しい話を聞いた。
水谷氏がDuolingoに入社した後、すぐに取り組んだのはマーケティングリサーチだ。オンラインサーベイ、フォーカスグループインタビュー、1on1のデプスインタビューという3通りの方法で行った。
オンラインサーベイの結果からは、複数の分析手法を用いて競合サービスとの比較を行った。また、ユーザーがDuolingoを認知してから、実際のダウンロードや活用に至るまでの離脱率を参照して、ハードルとなっているポイントがないかを確認した。Duolingoの場合、認知後の推移は堅調だった。しかし、認知度が高くなかった。認知を高めるために、どのようなプロモーションをすればいいのか。その判断には、インタビューで得られた知見を重視した。
Duolingoが各国で人気を誇っている理由の一つに、「ゲーム感覚で学べる」という点がある。アプリで出題される問題に答え、一通り正解できるようになると次のステージに進み、新しい問題が出題される。
あるインタビューで、問題に答えてクリアしていく形式を「クイズっぽい」と表現した利用者がいた。水谷氏は「ゲーム感覚で学べる、というポイントはグローバルでもずっと訴求していましたが、“ゲーム感覚”というのをもう少しかみ砕いて伝えるならどんな表現がいいのだろう、とずっと引っ掛かっていました。確かに『クイズに答えていくと、気が付いたら言葉が身についている』という伝え方はいいな、と感じました」と話す。このように、インタビューから気が付いたことが多くあるという。
最も重要な気付きは、日本にある他の語学学習アプリとは“訴求すべきターゲットが異なる”、ということだった。
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