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ニトリも認める老舗メーカー 新社長が挑む「脱・大ヒット」と「全員野球」の哲学家電メーカー進化論(3/7 ページ)

» 2021年07月20日 07時00分 公開

 「アテックスには常に新しいことをやっていこうという文化があります。会長がそういう気質なんです。若い頃からいろんなアイデアを元に特許を申請してヒット商品を生み出していました。アテックスはそれら特許や文化を引き継いでいます」(深野氏)

 ルルドブランドを牽引したマッサージクッションは、99年に製品化したマッサージチェアからの流れで生まれたという。女性開発者が本当に女性のほしいマッサージ器を作ろうと製品企画が始まったそうだ。そうして生まれたマッサージクッションだが、企画当初、社内では営業を担当する男性社員からの「売れない」と猛反発を受けたそうだ。

 「当社、初の女性向けマッサージ器だったため販路も分からず、営業からは反対されていたのですが、会長の『ひとまずやってみい』という鶴の一声で開発が決まったと聞いています。

 人間って“やりたい”と思って始めたことは一生懸命努力をするんですよ。この商品については、担当の“売りたい”という思いに共鳴してくれたバイヤーさんがいたこともあり、翌10年には100万個、11年には200万個売れる大ヒットになりました」(深野氏)

 当時は珍しかった女性向けのマッサージクッションに目をつけ、たくさん販売されたのは、インテリア系の販売店だった。機能だけではない、かわいらしさがヒットへとつながっていった。

ルルドブランド認知を広めた、09年発売の「マッサージクッション」。現在も後継品が販売されており、シリーズ累計販売台数1100万台を牽引する大ヒット商品

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