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» 2021年10月07日 19時10分 公開

フィリップ モリス インターナショナルCEOを直撃 IQOSをいかにして日本市場に訴求したのか?新・たばこビジネス【前編】(1/4 ページ)

「煙のない社会」を提唱し、10年以内に日本国内の紙巻たばこの販売から撤退を目指すフィリップ モリス インターナショナル。

[武田信晃,ITmedia]

 フィリップ モリス インターナショナル(PMI)は8月、加熱式たばこの新型IQOS ILUMA(イルマ)と、IQOS ILUMA 専用たばこ TEREA(テリア)スティックを日本市場に投入した。同社は「煙のない社会」を提唱し、10年以内に日本国内の紙巻たばこの販売から撤退を目指す方針を掲げている。具体的には2025年までに同社の紙巻たばこ喫煙者の少なくとも4000万人を煙の出ない製品に切り替え、同社の純収入の50%以上を煙の出ない製品で占めることを目指す。

 その陣頭指揮を執るのは5月に最高経営責任者(CEO)に就任したヤチェック・オルザック氏だ。オルザックCEOはIQOS ILUMAやTEREAの開発にも深く関わってきた。IQOSなどの好調によって同社の2021年第2四半期(4〜6月期)決算を見ると、調整後営業利益は前年同期比18.7%増の34億5400万ドルで、コロナ禍でも独自の成長を遂げている。

 今後のPMIの戦略についてオルザックCEOが単独インタビューに応じた。前編ではIQOSをいかにして日本市場に訴求してきたのかを聞く。

ヤチェック・オルザック 1993年にPMI入社。PMIのポーランドならびにドイツ市場のマネージング・ディレクターや、欧州連合地域のプレジデントなど、欧州各地で財務およびゼネラルマネジャーを務める。2012年に最高財務責任者(CFO)に就任。18年に最高執行責任者(COO)。ポーランドのウッチ大学で経済学修士を取得。56歳(リリースより)

今後10年で「煙のない社会」に移行

――フィリップ モリスは「煙のない社会」を提唱していますが、その狙いはどこにありますか? 

 たばこは健康にマイナスの影響をもたらす側面があります。PMIの責任としては健康に害をあたえる有害性成分が低減されたIQOSのような商品を、消費者に訴求していくのが重要だと考えています。

 紙巻たばこの喫煙をいかにしてやめてもらうのか。そのための製品をどう展開していくのか。この2つが戦略の大きな柱となります。煙のない社会を実現するために、私たちは科学的調査をし、技術革新をすることによって、いかにして解決策をスケールアップできるかを常に考えてきました。

――現在日本では、そのビジョンをどの程度まで浸透できていると考えていますか?

 「煙のない社会」というビジョンは日本から始めたものです。現状、IQOSを日本に投入してからすでに2割を超える人が加熱式たばこにスイッチしています。日本では、たばこ製品の販売そのものは年々、減少しています。

 その一方で、加熱式たばこというカテゴリーの販売ペースは加速している状況です。この5、6年のうちに日本のタバコ消費者の3分の1は、加熱式たばこのようなより良い代替製品にスイッチしていくでしょう。最長でも10年ぐらいで、「煙のない社会」に移行できると考えています。これは、喫煙者の健康のためにも、社会のためにも良いことであるはずです。

「新型 IQOS ILUMA」投入によって更なる売り上げの拡大を目指す
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