昨年から拡大する中で想定外のこともあったという。ひとつは都市の規模や役割により人の動きかた、滞在者のニーズは想像以上に異なるということだ。
「北海道の小樽は、いわゆる観光をメインにした方が多いですが、東京はビジネス利用が多く、観光といっても、その目的はコンサートやショッピング、あるいは友達と会うためなど多種多様です。目的が違えばテンションをあげるツボも異なります。都市の特徴を捉え、それぞれにあった旅のテンションのあげ方を考える必要があると感じます」
また本来ターゲットとしていなかった「ビジネス客」についても、OMOならではの可能性を見いだしているという。
「出張で訪れた方もアフターファイブは楽しみたいというニーズが高く、館内の『ご近所マップ』やアクティビティの一部には夕食を案内するものなどもあり、出張客にも好評です」と話す。
ニーズへの対応と物販面のトライアルから、今年オープンしたOMO3札幌すすきのに「Food & Drink Station」を新たに設置した。OMO3は宿泊特化型で食事の提供がないため、24時間オープンの無人物販スペースになる。星野リゾートならではのデザイン性の高い店舗には、例えば飲物ならペットボトルなど一般的なものに加えて、淹(い)れ立てのコーヒー、量り売りのワインなども提供。それにあわせて地元ならではのおやつやおつまみ、朝にはOMOオリジナルのおにぎりやパンも販売する。
「主に朝食ニーズを満たすために企画したのですが、購買履歴や様子を見ていると夜食で利用するケースも多い。地域性の高い、おやつやおつまみは、お土産需要も高い」とか。
OMOベースという宿泊者が自由に寛(くつろ)げるラウンジ機能との相性も良く、他のOMO3への展開も進めているという
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