――KADOKAWAといえば日本を代表するエンタメ企業なわけですが、どんな形でISTの事業を応援していけると考えていますか。
日本って本当にすごくIPがたくさん出てくる国なんです。全体の数でももちろん、人口一人あたりのIPが出てくる点数を計算しても、世界で最もIPが出てくる国だと言っても過言ではないでしょう。そしてKADOKAWAは、いま出版業界の中で新刊の発行点数でいうと、日本では最大の会社なんですね。
このIPの源泉は何なのかというと、それは想像力なんです。こんなことが起こったらどうなるんだろうとか、いま流行(はや)りの「異世界転生モノ」とかもそうなんだけど、世の中にないことを想像して、それを一つの作品に仕上げていく。その時にですね、こういう世の中で今までなかったことをやっているリアルな事業とか技術開発とかってものすごい刺激になるんですよ。
――その意味では夏野社長も、NTTドコモではiモードやおサイフケータイなどを誕生させ、未来として描いていた生活にわれわれを近づけました。
僕もスマートフォンが出てくる前に、ドコモでiモードといういわゆるガラケーでインターネットにつなげられるようなサービスを始めたり、あるいはおサイフケータイで現金を持たなくても買い物ができる仕組みを作ったりしましたが、この真の生みの親は僕じゃなくて、みんな子どもの頃から読んでいるSFの作品たちですよ。
SFの世界で、現金なんか使っている社会なんてないですよね。また通信する時も、無線機の前にわざわざ行ってしゃべるなんて作品もないじゃないですか。みんな個別で通信端末を持って、それで会話するのが当たり前に描かれていました。
――つまり、未来はIPによって生み出されているというわけでしょうか。
いま、大型の二足歩行ロボットを現実のものにしようという動きも進んでいますが、これも「機動戦士ガンダム」をはじめとする作品という想像力から生まれているわけです。こういうイマジネーションから、イノベーションが生まれることがあります。だからこうした想像力を刺激することがすごく大事だし、ガラケーやPC-98など、日本から他国に先駆けて新しい技術が生まれてくるのは、そういう意味で当然なんです。
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