仲間の死、脳梗塞に倒れたドラマーの復活 ラウドネスが切り開くビジネスモデルの「誕生前夜」CDや配信の「次の一手」(8/8 ページ)

» 2022年05月22日 07時00分 公開
[柳澤昭浩ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4|5|6|7|8       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

新しいビジネスの「誕生前夜」

 以上が隅田さんへのインタビュー後編だ。

 ラウドネスが米国・海外への再進出に挑んだ14年以降、80年代に活躍した海外のアーティストが「オールタイムベスト」な楽曲によって、かつてのファンの心をつかんでいたのを体感するくだりは興味深い。これはNostalgia Marketing(ノスタルジア・マーケティング)として、音楽だけではなく、さまざまなサービス、商品での事例も多い。

 この手法はかつてのファン、愛用者をターゲット層にしたものであるが、同時にそれらをノスタルジーと感じず、新しいものとして認識するターゲット層がいることも近年の特徴的な傾向だ。

 サブスクモデルなどのサービスにより、音楽自体は限りなく無償で消費されるようになってきた反動は、NFTなどの新しい消費手法と、ウィズコロナからアフターコロナに向けて、まさに新しいビジネスモデルの「誕生前夜」を迎えている。

著者プロフィール

柳澤 昭浩(やなぎさわ あきひろ)

18年間の外資系製薬会社勤務後、2007年1月より10期10年間に渡りNPO法人キャンサーネットジャパン理事(事務局長は8期)を務める。科学的根拠に基づくがん医療、がん疾患啓発に取り組む。2015年4月からは、メディカル・モバイル・コミュニケーションズ合同会社の代表社員として、がん情報サイト「オンコロ」コンテンツ・マネージャーなど多くの企業、学会などのアドバイザーなど、がん医療に関わる様々なステークホルダーと連携プログラムを進める。「エンタメ×がん医療啓発」を目的とするRemember Girl’s Power !! などの代表。


前のページへ 1|2|3|4|5|6|7|8       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.