自腹で活動資金を賄い、活動範囲を広げてきたという選挙割。なぜ、佐藤代表は活動を始めたのだろうか。きっかけは若年層の政治参加への意識の低さだ。学生時代から政治や市民の社会参加に興味があったという佐藤代表。予備校講師として関わった生徒に「政治について考えることは自分たちの将来の生活改善につながる」と政治参加の重要性を説くと、「政治は難しいし、よく分からない」「政治の話は『意識高い系』の人がするもの」などの声が上がった。中には反発する生徒もいたといい、「自分が参加しても何も変わらない」といった諦めに近い意見もあった。
「政治に興味がない人に参加してもらうためには別のアプローチが必要だ」。そう考えた佐藤代表は12年12月の衆議院選挙を機に、団体を設立。選挙割の活動を始めた。若年層を念頭に「選挙に自然と行きたくなるような環境づくり」をテーマに活動を展開している。
15年6月に改正公選法が成立し、翌16年6月に選挙権の年齢が18歳以上に引き下げられたことで、高校生から投票できるようになった。一方で佐藤代表は「現在の主権者教育では不十分」と主張する。「政治について考えるには、リアルな生活の中で世の中の課題について考えることが重要」(佐藤代表)と考え、活動は大学生らが中心となって運営している。他にも主婦や、地域の青年会議所なども活動に参加中で、佐藤代表は「若年層だけでなく、多くの世代が連携している」としている。
「若者が選挙に興味を示さないのは政治や社会との接点が少ないから。地域の店主らと直接対話し、企業や店舗を選挙割の活動に勧誘する中で世の中の課題を考えてほしい」(佐藤代表)
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