グローバル旅行アプリ「スカイスキャナー」は、18歳以上の日本人1000人を対象とした「2026年の海外旅行に関する意識調査」を発表した。これによると、旅行予約における最大のハードルは「費用」だという。
そのため、日常生活で計画的に節約して旅行する「ロジタビ」層の台頭が明らかになったとしている。ロジタビとは、ロジカルにコストパフォーマンスを最大化する旅のスタイル「ロジカル」を実践しつつ、賢く海外旅行を実現しようとする消費者の新潮流だ。
確かに「費用」は、これから旅行をしようとする日本人の消費者にとって最大のハードルであることは間違いない。とにかく今の日本人は何事においても「お金がない」という消費者心理を持っている事実を、念頭に置かないといけないだろう。
ただ、それでも旅行したい層は、限られた予算内でも実行に移す。日常生活を切り詰めて旅費に全投入する人もいれば、年間の旅行回数を減らす人もいるかもしれない。
また、「行き先を欧米などから近場のアジアへ」「大手航空会社でなく格安航空会社(LCC)を利用する」「宿泊するホテルのランクを落とす」ほか、現地での外食を減らし、地元の市場やスーパーマーケットで食材を買って自炊して節約する向きもある。
さらに、エクスペディアの予測に挙がるロケ地巡りや、アーティストのライブやイベンドなどの「推し活」は強く消費者意欲を掻き立てる。例えば、K-POPや韓流ドラマなどの人気が根強い韓国では、旅行会社が航空券とホテルをセットにして販売する「ダイナミックパッケージ」を活用して旅行する日本人は多い。コストパフォーマンスの良さからダイナミックパッケージは支持されている。
昔は、旅行会社のパンフレットを見てカウンターで相談して申し込むのが、一般的な旅行の定石だった。大量送客できる団体ツアーは、旅行客にとっては、安い費用で多くの観光地を効率よく巡ることができた。旅行会社や現地のエージェントも一気に儲(もう)かり、消費者も事業者も互いに「コストパフォーマンス」が良かったのだ。
コロナ前まではそんなツアーもまだあったものの、主な客層だった中高年がこの5年間で年齢を重ねてしまった。大きな購買力を有する高齢者層が旅行から離れ、今後も衰退が見込まれる。
旅行市場は今、かつての「量」から「質」へと構造を変えた。物価高という制約下で、いかに個々の顧客満足度を最大化できるか――。単なる予約代行のビジネスは、既に限界を迎えている。
AIの利便性とプロの知見を掛け合わせ、ロジカルな消費者の心理を突く「個別の解」を提示できるか。そのCXの設計能力こそが、2026年の旅行ビジネスにおける勝ち筋となるはずだ。
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