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日本人「旅行離れ」の根本原因 インバウンド高騰で泊まれない実態と「AIの限界」(2/3 ページ)

» 2026年03月09日 07時00分 公開
[シカマアキ,ITmedia]

AI任せの旅に潜む“無謀な落とし穴”

 2026年は、どんな旅行がトレンド(流行)となるのだろうか。OTAなど各社が、2025年秋から2026年にかけ、それぞれ旅行トレンド予測を発表している。

 OTAの「エクスペディア・ジャパン」が発表した「Unpack‘26」によると、「スポーツ観戦の旅」「リノベ宿ステイ」「ホテルホッピング」「ロケ地巡りの旅」などが、2026年のトレンドになると予測する。

 2026年は直近で、イタリアで冬季オリンピックが開催された。6月には北米3カ国でのサッカー・ワールドカップが控えている。観戦ツアーなどは高額だが、試合をテレビや雑誌、ネット配信などで観るうちに、現地のスポーツ観戦や観光に「行ってみたい」と思う需要が見込まれる。

 しかも、イタリアや米国・カナダなどは日本からの直行便もある。物価は高いものの、もともと行きやすい人気の国々でもある。「ホテルホッピング」も、注目されている。1回の滞在でホテル移動することによって、航空券代をかけずに「一度で二度おいしい」旅行スタイルだからだ。タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する「若くて感度の高い層」が、現在のホテルホッピング・ブームをけん引している。

 例えば1泊は奮発して外資系ラグジュアリーホテルに、もう1泊は地域密着型のホテルにといったように、自由な組み合わせによって自らの体験価値を引き上げようとする顧客が増えているのだ。

photo01 筆者がタイ北部の都市チェンマイで泊まった4つ星リゾートホテル。1泊1室1万円ほど。タイは諸外国と比べてホテルがまだ割安(画像:筆者撮影)

 OTAの「Trip.com」とGoogleによる共同レポート「Why Travel」も見てみると、2026年の旅行は、旅行者が体験やウェルネス、AIテクノロジーを通してより深く「自分らしい旅」を求める傾向があると予測している。「AIにおすすめを聞くだけでなく自分好みの旅を一緒に設計する」「物理的な移動から人・場所・目的とのつながりを求める旅行」「体験をより深く感じる没入型旅行」の3つを、2026年のトレンドとして挙げた。

 筆者は、新婚旅行で欧州に行くという若者から相談を受けたことがある。「ChatGPTに現地での旅行ルートを聞いた」という。ただ、そのAIが提案したルートは、現地で常態化する鉄道の遅延や、冬は雪国であることなどが全く考慮されておらず、AIに全信頼を置くのは無謀だとはっきり助言した。

 取っ掛かりとしてAIを利用することは、参考になるのかもしれない。だが全体的に見ると、旅行会社をはじめとしたプロの人間によるサポートは、今後も引き続き顧客体験(CX)を向上させる武器になりそうだ。

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