トヨタはGRブランドを成長させ、いよいよ世界で戦えるスーパースポーツカーを世に送り出そうとしている。過去最高の販売台数を記録しながら、成長戦略にも弱点は見えない。かつて「80点主義」といわれたブランドイメージは、もう存在しない。
ホンダが二輪車頼みの収益構造から脱却するためには、やはりもう一度ホンダらしい商品づくりに立ち返る必要があるのだ。「ホンダ0シリーズやAFEELAはホンダらしくない」とまでは言わないが、魅力が伝わりにくい商品だったのではないだろうか。
モビリティの新たな価値創造を追求しながら、現状で売れる商品をつくって販売するのは容易なことではないが、ホンダならそれをやれると思わせてくれる。
原材料の調達力や、商品として供給するスピードは中国メーカーに分がある。ならば日本の自動車メーカーは、品質の高さや信頼性による安心感に加え、商品の独自性を高め、それを認知してもらう努力が必要である。
Nシリーズを購入しているユーザーも、ホンダを応援しているファンであることに違いないのだ。そのうちの何割かが普通車を選ぶだけでも、ホンダの業績は大きく上向く。ミニバンもSUVもスポーツカーも、あと少し魅力を加えるだけで大ヒットする可能性がある。
それとも、新たなモビリティの魅力を切り開いていけるのか。ホンダの進路は茨の道かもしれない。けれども、他の競合メーカーも現場のエンジニアは必死に仕事をこなしているのは間違いないのだ。
現在のホンダの優位性を生かしつつ、ユニークなクルマづくりを続けてほしい。そう思うホンダファンは決して少なくないはずだ。
芝浦工業大学機械工学部卒。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。これまで自動車雑誌数誌でメインライターを務め、テスターとして公道やサーキットでの試乗、レース参戦を経験。現在は自動車情報サイトEFFECT(https://effectcars.com)、クラシックミニ専門サイト(https://classicmini.jp)を主宰するほか、ベストカーWeb、Yahoo!ニュース、ITmedia ビジネスオンラインなどに寄稿中。著書に「エコカー技術の最前線」(SBクリエイティブ社刊)、「メカニズム基礎講座パワートレーン編」(日経BP社刊)などがある。近著は「きちんと知りたい! 電気自動車用パワーユニットの必須知識」(日刊工業新聞社刊)、「ロードバイクの素材と構造の進化」(グランプリ出版刊)。
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