組織の土台が整うと、小野寺氏はインターンのコンテンツの見直しにも着手した。それまでは、ダブルワーカーと学生による1on1は期間中1回だけだったが、毎日実施する形に変更した。
1on1では、その日の取り組みを振り返りながら、ダブルワーカーが学生に対して「良かった点(Better)」と「もっと伸ばせる点(More)」の両方をフィードバックした。5日間を通じてPDCAを回し、自身の成長や課題を棚卸ししてもらう狙いがあった。
背景には「もっと社員と話したい」という学生側の要望に加え、学生との信頼関係を深め、インターンへの没入感を高めたいという思いもあった。「信頼関係がなければ、学生を引きつけることはできない」という判断だ。
採用イベントの内容も刷新した。それまでは小野寺氏自身が登壇していたが、現場からSEだけでなく、セールス、新規事業開発、経営企画などさまざまな部署で働く社員を招き、学生が希望する人物に直接話を聞けるようにした。入り口はSEでも、ステージに応じてさまざまなキャリアプランを描けるNTT東日本の魅力を伝える意図もあった。
学生からは「こんなにキャリアパスを真剣に考えさせてくれた企業はない」などの声が寄せられたという。一時期、80%台に落ち込んだ満足度は100%近くまで回復した。
改革の波は、SE採用の外にも広がった。当時のNTT東日本の技術系職種は主に、SE、ネットワークエンジニア、デジタルの3職種に分かれており、かつては職種間での連携はほとんどなかった。
しかし、小野寺氏を中心に採用チームが協力して、ネットワークエンジニアとデジタルの採用にもダブルワーク制度を展開したことで、関係性に変化がみられた。例えば「ネットワークにも興味がある」というSEインターンの参加学生がいた場合には、ネットワークエンジニアのダブルワーカーに学生を紹介するといった連携が自然に行われるようになった。
「自分たちが正しいと信じてやってきたことが、採用部内で認められていく感覚がありました」と小野寺氏は振り返る。
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