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「すし職人をAI開発の輪に入れろ」──オードリー・タンに聞く、米中AI競争で日本が勝つ道(2/5 ページ)

» 2026年07月28日 07時00分 公開

「すし職人や漁師」をAIの輪に入れよ 19兆円市場を拓く“唯一の道”

――タンさんは以前、漁業関係のイベント「Sushi Hackathon 2025」で、米スタンフォード大学を訪れました。漁業に限らず、製造業や農業、物流など、現場でAIを活用する際の注意点は何でしょうか。

 AIを活用する上で注意すべき点があります。それは「現場に近い人たちのインプットをテクノロジーに取り込むこと」が極めて重要だということです。

 単にその人たちのためにAIをデザインするのではなく、その人たちと一緒にAIを作らなければなりません。現場のためとはいえ、一方的にAIを作ってしまうと、例えば漁業なら漁師の人たちに「これを使え」と強制する形になってしまいます。

 AIの処理ループは非常に高速です。ですので一度動き出すと方向を変えるのが難しく、人間を単にそのプロセスの一部に組み込むだけでは、この文脈においては意味がありません。そうではなく、AIを人のループの中に入れるべきなのです。実際の人間がニーズを定義し、AIはその補助的な役割を担う形でなければなりません。

 例えば、誰かが何か変更をリクエストした際に、元のソリューションにAIが固定化されていてはいけません。もし固定化されてしまうと、ある時点でそのソリューション自体から新たな問題が発生し、持続可能性を保てなくなってしまいます。

 ですから、現場に近い人たちが常に継続的に関わり続けることが必要不可欠です。その意味で、実際の漁業関係者や、すし職人のような方々にAI開発・実装プロジェクトへ参加してもらうことは、とても重要だと考えています。

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