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インタビュー
» 2010年04月02日 10時53分 公開

デジカメのデジタル家電化はどこまで進むか編集長に聞く(2/3 ページ)

[斎藤健二,ITmedia]

撮った後どうするか。写真共有サービスと動画の関係

ITmedia: 私の母親が、先日「写真撮ってフォト蔵というサービスを使うとみんなですぐに見られるのよ。便利」といっていました。ITリテラシーが高い人ではありませんが、デジタルデータとしての写真をネットで共有する楽しみを満喫している。ここにはまだニーズがあるようにも感じているのですが。

渡邊: 写真共有サービスは、「見せる」という目的は同じでも、紙という物質にしないので、どうしても分かりにくさが残ります。そのあたりは課題です。オンラインサービスはデジカメプラスでも積極的に取り扱う予定ですので、目を通していただけるとうれしいです。

ITmedia デジタル一眼でも当たり前のように撮れるようになってきた動画ですが、機能としては以前から存在しているためか、目新しい差別化要素になっているかというと、そうでもないように感じます。今後、どのように普及していくのか、そのあたりの考え方を教えてください。

渡邊: そもそも素人の動画を見て楽しいか? というのがあると思います。テレビに代表されるプロフェッショナルの映像に親しんでいるなかで、素人が撮った映像を果たして見たいか。UGCの代表格といわれるYouTubeにしても、膨大なアーカイブから万人が楽しめる映像を探すには一苦労です。一方で「この前の送別会のスピーチを動画で撮ったよ。15秒だよ」といったら見てくれるとも思います。

 ホームビデオは家族の成長記録をアーカイブする手段として定着し、イコールビデオカメラ市場として存在していますが、別の市場としてスナップ写真を撮るように動画を撮って人に見せる、というコミュケーションツールとしての使い方・楽しみ方はこれから伸びていくのではないかとも感じています。

ITmedia: 海外ではビデオブロガーというような人たちがいて、MP4カメラといわれる「FlipVideo」や「Bloggie」(レビュー参照)などを使って、静止画のかわりに動画を撮ってブログに使っているといわれますが、日本ではどうでしょう。

photophoto 撮ったハイビジョン動画をネットで公開して楽しむためのお気軽でお手軽HDカメラ「Bloggie」

渡邊: スナップ動画でいいなら、“カメラ”で撮る必要はない気もします。映像を残すだけならばiPhoneなどでも構いませんよね。じゃあ、カメラならではの映像とはなんでしょうか。一義には映像のキレイさを挙げられますが、ならばビデオカメラのほうが優位な点が多いです。「カメラの動画」には、映像のキレイさと取り回しの軽快さ、そのバランスが求められるように思います。ですが、そのバランスはどこにあるかというと、カメラの動画に対するニーズが固まっていないために、定まっていないというのが現状ではないでしょうか。

 ハイビジョン動画がデジカメで撮れます、というのは各社製品がアピールしていますが、撮った後にどう楽しむかまではきちんと打ち出し切れていません。強いて言えば総合家電メーカーであるパナソニックがSDメモリーカードを軸にした提案を行っているぐらいです。ですが、HDMI端子を備えたカメラも増えていますから、この領域についてはこれからの進歩に期待したいですね。

 写真でも動画でも、各社とも「撮ったものをカメラの中に閉じ込めてほしくない」という思いがあります。ただ悲しいかな、カメラ専業メーカーが多いので、「見る」「編集する」「共有する」など、撮影した写真と動画の活用までトータルで作り込んで提案できているメーカーはほぼありません。そう考えると、ソニーによる、動画共有サイト「eyeVio」売却は残念だったなあと思います。

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