ITmedia NEWS >
レビュー
» 2011年05月30日 14時06分 公開

“普通じゃない”レンズにデジタルならではの遊びが満載 オリンパス「SZ-30MR」 (2/4)

[荻窪圭,ITmedia]

ウリは「マルチレコーディング」機能

 SZ-30MRのウリは高速なセンサーと、画像処理エンジン「TruePic III+」を2つ搭載することで獲得した高速画像処理を組み合わせた「マルチレコーディング」系機能。大きく分けて3つある。

 ひとつめは「フォト・イン・ムービー」。

 SZ30-MRには動画モードはなく、いつでも背面の動画ボタンを押せばHD動画撮影がはじまる。そしてHD動画撮影中にシャッターボタンを押すと、動画撮影を一切止めないで静止画を撮れる。これは面白い。フルHD動画を撮りながら、フル画素(1600万画素)の静止画を撮れるのだ。

photo 動画を撮っていたらあくびをしたので、すかさずシャッター

 ただし、このときの静止画撮影ではメカニカルシャッターが使えないため、電子シャッターのみとなる。よって、カメラをすばやく動かしたり、高速で走る被写体を撮ると、斜めにゆがんで写る(ローリングシャッターゆがみ)のでそれだけは我慢。

 ふたつめは「回想フォト」モード。

 静止画を撮影すると、撮影直前の7秒(最大)と撮影後の3秒(最大)をVGA動画で残してくれる。キヤノン「PowerShot SX230 HS」のムービーダイジェストモード(レビュー記事)と似ているが、あちらは「1日分の動画を1本にまとめる」というダイジェストを主眼とした機能。こちらは写真1枚ごとに短い動画を作る。

photo これを撮影
photophoto 回想フォトモード。ネーミングも面白い。メニューの一番上でシャッター前後の記録時間を決定する(写真=左)、MRモードはマルチフレーム、マジック+オリジナル、マルチサイズの3種類(写真=右)

 みっつめは「MR」モード。1回のシャッターで2枚の静止画を撮ってくれる機能だ。動画の2本同時記録もでき、メインとして1080(1920×1080ピクセル ノーマル)ないし720(1280×720ピクセル)、サブとして360(640×360ピクセル)ないし180(320×180ピクセル)を同時記録できる。これはちょっとすごい。

 「Magic+オリジナル」ではマジックフィルタをかけた写真(もしくは動画)とオリジナル写真(もしくは動画)の2枚を記録。ただ、この場合は2つとも同サイズの写真もしくは動画になる。中身はマジックフィルタモードと同じで、オリジナルも保存しておきたいときはこちらを使うといい(※編注:動画の同時記録について追記しました)。

 マジックフィルタはデジタルエフェクト機能で、ピンホール、ポップ、ウェディング(ソフトフォーカス)など8種類用意されているが、同社「PEN」シリーズなどで搭載されている「アートフィルタ」に比べるとお遊び要素が強い。

photophoto 「ピンホール」(写真=左)、オリジナル(写真=右)

 「マルチフレーム」では、オリジナル画像プラス、指定した範囲をズームアップした写真を撮ってくれる。そちらは元画像からトリミングしたものになるのだが、自動追尾AFを使い、指定した被写体部分だけをトリミングするという技がついてる。「マルチサイズ」はその名の通り、別サイズの画像も一緒に撮ってくれるもの。ブログ用に小さい写真も同時に撮っておきたいなどのニーズにこたえてくれる。

 パノラマ機能も強化された。

 従来の1枚ずつ撮影してつなげる(カメラ内で自動的につないでくれるモードとパソコンであとから処理するための素材を撮る機能に加えて、最近主流の連写式「ひとふりパノラマ」(ソニー風にいうと「スイングパノラマ」)機能も搭載した。

photo ひとふりパノラマで撮影。これは手軽でいい。動体に対する処理はしない様子で、歩いている人などがあると二重に写ってしまう

 これらの操作はロータリーダイヤルと十字キーでさくっと行えるので、使い勝手はいい。また、シーンモードではペット顔自動認識自動シャッターのペットモード(猫と犬)、連写+合成の手持ち夜景モードも搭載している。

 こうしてみると、最近トレンドの撮影機能で未搭載なのはHDRくらいではないかと思わせるくらいの充実ぶり。それもデジタルならではの遊べる機能を積極的に強化してきたところが面白いのだ。

 特にフルHDを撮りながらフルサイズの写真を、動画を一切中断することなく撮れるのは待ち望まれていた機能で実現はうれしい。

 ただし、前述したように望遠時のAFはちょっと遅いし、クオリティ的にも、レンズで無理をしているのか、高いとはいえない。

 その辺は1600万画素の高画質……よりも、1台で広角も超望遠も撮れてマクロも撮れて、昼間も夜も撮れて、しかもHD動画を撮りながら静止画も撮れてなおかつコンパクトでUSB充電もできる、という何でもアリさを楽しむカメラなのだ。そう思って楽しむべし。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.