いよいよ夏の行楽シーズンだ。海に山に様々なレジャーにと、カメラが大活躍する季節の到来である。必ず持っていくカメラはいまやiPhoneなどのスマートフォンだろう。次にデジタル一眼レフやミラーレスとなるだろうが、悩むのがレンズだ。
明るい単焦点1本!と割り切って撮影するのも潔いが、やはりここは高倍率ズームで、ワイドからテレまで広範囲のレンジをカバーしたいところだ。ちょうどパナソニックから「LUMIX G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S.」が登場したので、「DMC-G6」に装着して試した。
14ミリから140ミリをカバーするこのレンズ、35ミリ換算で28ミリ〜280ミリという画角となる。これだけ守備範囲が広ければたいていのものを撮影することが可能だ。旅先の室内や、遠くの山々、また近接撮影もワイド端で30センチとなっているので料理なども気軽に撮れる。まさに旅にピッタリのオールマイティーレンズと言えよう。
10倍という高倍率ズームながら約265グラムと軽く、マイクロフォーサーズシステムのハンドリングをスポイルすることがないのがうれしい。全長も短くバッグへの収まりもいい感じだ。外装仕上げもチープな感じがなく、カラーも使用カメラに応じてチョイスできるブラックとシルバーの2種類が用意されている。
10倍ズームは歩きながらのスナップに最適だ。目に入ったものをドンドン撮影できる。これはオフィス街に立っていた銅像をワイド端で撮ったもの。像のディテールがしっかりと再現されている。重厚な色合いと鈍い光沢がリアルだ。
テレ側の描写もなかなかのものだ。クラシックな自転車のライトを写したカットだが、金属の若干ざらざらとした風合いや光沢感、ハンドル部や背景のボケも悪くない。旅先で気になったものを、すかさずズームインして撮影できるのが魅力である。
とある清流に架かる橋をスナップ。強烈な夏の西日が反射しているが、マイナス1段の補正をかけてアンダー目に印象的にした。非球面レンズ3枚とEDレンズ2枚のため、しっかりとした写りに感じる。イヤなゴーストの発生もなく、朝日や夕陽など、夏のネイチャーフォトでも積極的に持ち出せそうだ。
波打ち際に横たわる美しいモデル。彼女をテレ端絞り開放で撮影。若干前ボケと、周辺光量の低下が気になるが、肝心の肌の質感や髪の毛の描写はまずまずだろう。人が多いビーチでも、テレ側を積極的に使って画面構成をシンプルにすれば、モデルを引き立たせた写真を得る事ができる。
今度はモデルをあおって撮影。瞳に映る太陽から髪の毛、水着トップの素材感、色合いまで見た目に忠実な再現力だ。高倍率ズームは開放値が暗いなど弱点もあるが、そのレンジ内で自由に画角を変化させて、被写体と背景の関係性を操ることができるのが魅力だ。自分なりの空間をアレンジしてみよう。
このカットは日が傾きつつある時に撮ったものだ。薄曇りでコントラストが低下した環境で、本来ならば単焦点レンズで撮影したいシーンだがまずまずのカットとなった。モデルが座る岩のディテール、つま先に付いた砂粒も高倍率ズームとしてはなかなかの描写ではないだろうか。
ほんのりと色づいた太陽光で背景をぼかしてモデルを引き立たせて撮影。オートながら的確なホワイトバランスが微妙なカラーを再現してくれた。水着のカラー、背景のグリーンが自然な感じだ。周辺光量の低下が気になるが、逆に雰囲気を演出している感じもする。肌の柔らかさが伝わってきそうな写りもなかなか。
(編注:本記事では一般的な撮影状態での利用を念頭としているため、人物撮影にレフ版などは利用しておりません)
(モデル:石川彩夏 オスカープロモーション)
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