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» 2015年11月11日 21時00分 公開

プロフェッショナルフォトグラファーの要求をも満たす「iPad Pro」 (2/2)

[三井公一,ITmedia]
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同時に登場した「Smart Keyboard」も見逃せない

 iPad Proと同時に登場した「Smart Keyboard」も見逃せない。携行時はRetinaディスプレイを保護するカバーだが、展開するとフルサイズのキーボードになる優れものだ。あまり期待していなかったキータッチだが、これが意外にも快適なのだ。ザラザラとした表面仕上げも指触りがいい。使用アプリに応じて表示されるショートカットも実用的で、ロケ先で原稿を書いたりする場合(実際この原稿も熊本で書いている)や写真のキャプションを入力しなければならない場合に威力を発揮するに違いない。またスタンドとしても機能するので、写真データのプレゼンテーションにも役立つ。

iPad Pro 感触が良く、打ちやすいSmart Keyboard
iPad Pro 保護カバー、キーボード、スタンドと、とても役に立つSmart Keyboard

 また面白いのが「Apple Pencil」だ。通常ペイント系アプリで使用するアクセサリーだが、対応アプリが出てくると写真のレタッチでも強力な助っ人になりそうだ。なんといってもペンの反応速度が速い! 本当に紙に鉛筆で書いているのと変わらなく感じるのだ。またApple Pencilを傾けたり、力の加減を変えたりすると濃淡を作り出すことができる。これで、写ってしまったセンサー上のダストを消したり、微妙な入力加減によるブレンドやにじみなどの画像効果も生み出したりできるのではないか。続々と登場するであろう進化した写真アプリが待ち遠しい。

iPad Pro Apple Pencilは新しい表現を可能にするアクセサリーになるかもしれない
iPad Pro まるで紙に鉛筆で書いているような反応速度がすごい

 iPad Proは高速な処理速度と大きく高精細なRetinaディスプレイ、そして使いやすいアクセサリー類によってフォトグラファーの仕事をサポートしてくれる。それをたしかなものにしてくれるのがさまざまなiOSアプリだ。日頃使い慣れた「iPhone」のアプリと同じ使いやすさと安定性を持つiPadアプリが多いので、違和感なくスムーズに作業を進められることは大きい。また有力アプリメーカーの対応が早いのも魅力である。今回は「Adobe Photoshop Fix」「Adobe Lightroom mobile」「Pixelmator」などを使ったが、快適でイメージ通りの写真に仕上げられた。

iPad Pro Adobe Photoshop Fixで素早く撮影データをイメージ通りに
iPad Pro Adobe Lightroom mobileはより細かい現像処理が可能だ
iPad Pro PixelmatorではApple Pencilを使ってゴミ取り処理を行った

 現在、自動車メーカーの撮影で九州縦断ロケに来ている。早速iPad Proを実戦投入しているが本当に役立っている。

 カメラはニコン、シグマ(残念ながらシグマのRAWデータはiPad Proでは扱えない)、レンズは全てシグマの製品を使って撮影しているが、「RAW+JPEG」の撮影データをLightning - SDカードカメラリーダーとEyefiカードでiPad Proに転送。そして写真アプリで被写体と構図、露出およびフォーカスのチェックをし、OKのカットはそのままiPad Proに残すのと同時にクラウドのDropbox上に保存。それ以外の撮影データはSDカード内だけに残して、iPad Pro上のものは消去している。OKカットは上記で紹介したアプリなどでイメージに近づけて加工し、同行している広告代理店のプロデューサーとディレクターにその場で確認してもらっている。

iPad Pro 今回の九州縦断弾丸ロケにおいて、iPad Proはその性能を大いに発揮した。さまざまな状況下で撮影データのバックアップ、チェック、レタッチをスムーズにこなすことができた
iPad Pro Eyefiを使い、撮影データをワイヤレスでiPad Proに取り込んだところ。撮影にはシグマの150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporaryを使用。写りがよく軽いレンズはiPad Proとの相性もいい。機動性が高まりロケの自由度が増すからだ

 このワークフローを薄いiPad Proで移動中のクルマの中でサクサクと快適にこなせるのが実にいい。使用しているiPad Proは「Wi-Fi+Cellular」モデルなので、単体で重要なOKカットをクラウド上にバックアップできるのも実に心強い。このような、仕事のスピードが要求され、移動が多い撮影の現場ではiPad Proの独壇場だろう。フォトグラファーは実際にこの製品を手にとって自分の作品を見てほしい。その圧倒的な美しさの虜になるに違いない。

iPad Pro 昔のプリントが入った印画紙の箱の上にiPad Proを置いてみた。8×10の箱とほぼ同じサイズだ。

撮影協力:BOBOS二子玉川(http://www.bobos-cafebal.com

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