「日本は最重要市場」とSalesforce.comのベニオフCEOInterview(2/2 ページ)

» 2004年11月05日 18時32分 公開
[鈴木淳也,ITmedia]
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ITmedia Salesforce.comの売り上げ全体に占める日本市場の売り上げ比率は約5%ということですが、この数字に満足していますか?

ベニオフ 日本法人の宇陀(栄次)社長はIBM時代の経験から、日本のIT市場規模は世界の約10%ほどだと話しています。つまり、そこまでは拡大する余地が十分にあるということです。

 われわれは、日本市場を非常に重要なターゲットだと考えている。例えば、現行バージョンのSummer '04で行われた機能追加の25%は、日本のユーザーから寄せられたものです。日本市場で受け入れられるよう、今後も市場の違いやユーザーの考え方の違いを踏まえたアプリケーションをリリースしていきます。

カスタマイズが最大の強み

ITmedia 例えば、日本市場には「カスタマイズによる独自システム構築」「業務の外部委託に対する抵抗」「営業マンの秘密主義」といった、さまざまな障壁があると思います。これらをどう払しょくするのか?

ベニオフ それらの問題が存在することは熟知しています。先ず、カスタマイズについては、日本での最も重要な要件だと考えており、今回、Winter '05で組み込んだ「Customforce.com」はまさにそのためのソリューションです。

 ただし、カスタマイズにこだわるのは何も日本だけではありません。実は世界中のすべての企業が考えていることです。カスタマイズの柔軟性が、セールスフォース最大の強みだと考えています。

 オンデマンド・コンピューティングに対する抵抗ですが、日本ではNTTドコモのiモードに見られるように、世界で最もASP型のサービスインフラが発達していて、利用も進んでいると思います。

 SFA(Sales Force Automation)に対してまだ理解が進んでいない点については、これから少しずつ解決していくべきところです。実際に使ってもらい、自身が入力したデータが即座に反映され、リアルタイムで状況を把握できるようになれば、営業マンの意識も変わってくるだろうと信じています。

ITmedia CRM以外の領域に参入する可能性はありますか?

ベニオフ われわれの目標は「best-of-breed」(最高品位)のCRMアプリケーションを提供することであり、そこから動くことはありません。まだまだ拡張が足りない部分もあり、今後2年をかけて順次構築していく計画です。



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