視点を変えて視野を広げて 【営業・企画職編】春の新人応援連載(2/2 ページ)

» 2007年05月14日 07時00分 公開
[大山貴弘,ITmedia]
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聞くべきは聞く、考えるべきは考える、の線引きを

―― 新入社員だった頃の自分に対して、今はどんなアドバイスができると思いますか?

秋谷 新入社員だから分からないことがたくさんあるのは当然のことなんですが、それを分からないからといってそのまま時間が経ってしまうのは良くないことです。だから、分からないことはどんどん質問することが大事ですね。「自分で考えろ」って先輩に言われるとしても、分からないのだったら聞いてみるということが、最初の1〜2年の間はすごく重要だと思います。そこで変に遠慮したり、萎縮したりして時間を無駄にすることは自分にも良くないし、会社にとっても良くないことなんです。

佐々木 まったく真逆の話になるかもしれませんが、僕がこの会社に入って最初に付いた上司は、あまり部下に事細かな指示をしないで「自分で考えなさい」と言うタイプの人間でした。だからあまり細かい質問はできなかったんですけど、それが今となってはすごくありがたいと感じているんです。もちろん社内の組織や手続きのことみたいに、聞かなければ分からないようなことはどんどん質問するべきですが、本来自分で考えないといけないところまで質問していたのでは、いつまで経っても自分の頭で新しいものを創り出すスキル、自分で考えるべきものを考えて出すスキルが身に付けられません。つまり、聞かなければ分からないことは素直に聞く、自分で考えなければいけないことは考えをまとめてから聞く、というようにはっきり線を引くことが大切なのではないでしょうか。

自分一人だけではなく、周りも意識する

―― 社会人としての経験を重ねることで、自分自身の変化や成長を感じるところはありますか?

佐々木 昔は人付き合いでも、自分に合う人しか友達にならないで、そのほかは話もしない、みたいなところがあったんですが(笑)、仕事をしていくうちに変わってきましたね。社内でチームを組んで一つのゴールを目指して進んでいくという仕事をしていると、立場的なものもありますし、みんなのモチベーションを維持していかなければいけません。たとえば、みんなが疲れている時には自分では絶対「疲れた」と口にしないようにしたり、得意先に誉められたことはちょっと誇張して伝えたり、一つ一つの言葉や行動に注意してチーム全体の士気を落とさないよう気を配っています。そうやってチームで一つのものを作っていく考え方は、やっぱり仕事をしていく中で身に付いたものでしょう。昔の友達に会うと「信じられない」ってよく言われますね(笑)。

秋谷 僕は学生の頃に比べて、視野が広くなったように思います。デザイナーになろうと思った時には「でき上がったものが良ければそれで良いんだ」と思っていたんだけど、実際に社会に出てデザイナーをやっていると、それではやっぱり全然ダメですよね。周りとコミュニケーションが取れないといけないし、自分が作ったものをちゃんと説明できないといけないですし。いろいろな表現を幅広く身に付ける必要があるので、それまで「自分の色はこれだ」って思っていたところ以外からもどんどん吸収していかなければいけないということに気が付きました。クライアントに対するコミュニケーション能力、プレゼン能力みたいな部分を含めて、視野の広くなってきている自分を感じています。もともと人前で話すのが得意ではないのですが、この会社に入ってからは人前で話す機会が増えました。でも、そういうことを意識するようになると、自然と緊張もせずに話すことができるようになってきましたね。

アイデアは一つだけではない、いつも違うパターンを

―― 最後に、これからこの仕事に携わる新入社員にアドバイスをお願いします。

佐々木 仕事をやっていくうちに覚えること、学べることがあるので、どんどん自分から先輩の仕事に突っ込んでいくやり方で、仕事を身に付けていって欲しいと思いますね。後ろ向きではなくて、自分ならどういうことができるんだろうって模索しながら、できることはどんどんやらせてもらう意識でやっていって欲しいと思います。

秋谷 できるだけ視野を大きく持って欲しいということと、何事も毎回毎回あえて違う角度から考えてみることを心がけて欲しいですね。たとえば一つの商品でも広告表現にはいろんな見方の角度が必要になります。その中から最適な角度を計算していくのが我々の仕事です。だから、いつも自分の考えに対して「これで良いのか?」っていう疑問を持って、多くのパターンを出すことを癖にしていってもらいたいですね。

先輩からのアドバイス 三カ条

  • 質問すべきことと自分で考えるべきこと、その線引きを意識する
  • 自分ができることはどんどんアピールし、仕事に突っ込んでいく
  • 視野を広く持ち、いろいろな角度から物事を考えることを心がける

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