お盆休みは知人に仕事のことを話そうビジネスマンの不死身力

お盆休みは仕事のことをさっぱり忘れたいと考えている方も、自分の仕事を親戚や知人に積極的に話してみよう。自分の仕事を人に理解してもらうという経験は、あなたのキャリアに必ず生きてくる。

» 2009年08月08日 08時00分 公開
[竹内義晴,ITmedia]

 お盆休みがもうすぐ始まる。皆さまも仲間と旅行に行ったり家族と一緒に帰省したりするなど、思い思いの計画を立てているはずだ。仕事を中心に普段の生活が回っている方は、お盆休みは仕事のことはひとまず脇に置いて、楽しい時間を過ごしていただきたい。

 それと同時に、お盆休みは家族や親戚、旧友など、普段会うことが少ない人と接することができる特別な期間だ。そこでの出会いを有効に活用すると、お盆明けからの仕事にもその経験が生かせる。そこで今回は「普段接しない人との再会を生かす」方法を取り上げ、お盆休みをより有意義に過ごすための時間の使い方をお話しする。

自分の仕事、誰もが理解できる言葉で説明できますか?

 お盆休みに帰省すると、親戚から「○○君は今、どんな仕事をやっているの?」と聞かれることがある。その時、あなたは自分の仕事をどう説明するだろうか。

 IT業界で働く人は、答えに窮してしまう場合も多いのではないか。IT業界の仕事は、横文字や略字がよく使われるため、ほかの人にその内容を理解してもらいにくい。「クラウドコンピューティング」といった最新の言葉、「ERP」や「SOA」といったIT業界で多用されるアルファベットの3文字略語はもちろんのこと、「コンサルティング」という職業でさえも正しく伝わらないかもしれない。

 年に数回しか会わない親戚には、「コンピュータ関係の仕事をしています」とお茶を濁しておけば話は終わる。だが実務の中で「伝えにくいことを伝える」場面に出くわした場合はどうするか。例えばITにそれほど詳しくない顧客に提案をする場合、親戚のように「あの人はコンピュータのことが分からないから」とあいまいな回答をすると、たちまち信頼を失ってしまう。

分かるように相手に伝える

 横文字や略語で伝わりにくいならば、相手がパッとイメージできる分かりやすい言葉を考えてみよう。例えば「ITコンサルティング」を説明する場合、「企業のコンピュータ活用の相談にのっている」と紹介したほうが、だんぜん相手に伝わりやすい。

 イメージが浮かびやすい言葉として、例え話を使うことも効果的だ。「わたしの仕事は○○です。例えば〜」「わたしの仕事は○○です。それは△△のようなものです」といった文章を考えて、誰もが知っている話題を取り入れると、相手の理解も進む。

 こうしたことを日々考えておけば、それが仕事にも生きてくる。あなたが仕事で顧客と接する場合、顧客の多くはIT業界の人ではない。仕事の内容を相手がイメージしやすいように言葉を選び、かみくだいて説明できれば、それは必ず相手に伝わる。

 お盆休みには、親戚や知人に自分の仕事を積極的に話す機会を作ってみてはいかがだろうか。その際には、前回の記事でお伝えした「自分の肩書きを考える」ことも併せて実践してみてほしい。相手に仕事を説明する際の手助けになるはずだ。

仕事を客観的に見つめ直す機会に

 またお盆休みは、IT業界やそこで働く自分を、外から客観的に見つめ直してみるいい期間でもある。旧友と仕事の状況を語り合う機会ができたとしよう。お互いの近況を話し合うことで、ほかの業界のトピックを知り、自分の仕事に生かせる情報が集まってくることも考えられる。

 「他者の目から見たIT業界や自分」も聞いてみると、さらに参考になる情報が得られる。親戚や知人に対し、「○○君から見たIT業界ってどう?」「IT業界で働く自分にどんな印象を持っている?」と積極的に聞いてみよう。外から見たIT業界は、わたしたちが認識している業界や仕事の感覚とは、ずいぶん違うかもしれない。

 業界や自分を客観的に見る視点は、IT企業に対する顧客の要望を理解するのに役立つ。顧客の多くはIT業界の人ではない。自分たちに対するイメージを本当の顧客から聞く機会はなかなかないが、旧友にだったらいくらでも聞ける。実際の声を聞くことで、今、自分の仕事に何が足りていないかが分かる場合もある。

 お盆休みは自分、そして他者と積極的に向き合う時間が得られる絶好の機会だ。家族や旧友との時間をより楽しく、有意義に過ごしていただきたい。

少し考え方を変えることで、仕事を楽しく充実したものに。「ビジネスマンの不死身力」では、そのノウハウをお伝えする。


著者プロフィール:竹内義晴(たけうちよしはる)

 竹内義晴

テイクウェーブ代表。自動車メーカー、コンピュータ会社を経て、現在は、経営者・起業家・リーダー層を中心としたビジネスコーチング、人材教育に従事。システムエンジニア時代には、プロジェクトマネジメントにコーチングや神経言語学を生かし、組織活性化を実現。この経験を生かして、クライアントの夢が現実になるよう、コーチングの現場で日々奮闘している。アイティメディア「オルタナティブ・ブログ」の「竹内義晴の、しごとのみらい」で、組織作りやコミュニケーション、個人のライフワークについて執筆中。


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