Droidがモバイル市場でiPhoneに代わって最も人気のある携帯電話になるのは難しいだろうが、Verizon Wirelessの力に頼ることでAndroidが大ヒットする可能性はある。Androidはオープンなプラットフォームであり、数種類のデバイスで採用されているため、iPhoneに代わる有力な選択肢になる可能性がある。各社のAndroid携帯の販売台数を合わせれば、いずれiPhoneの単独販売台数に匹敵するかもしれない。これは現実的な可能性だ。
Appleは仮想キーボードに将来を賭けた。これは必ずしも悪いことではないが、ユーザーが新しい携帯電話を選択する際に障害となる可能性もある。われわれは皆、物理キーボードを使うのに慣れてしまっている。それに、物理キーボードの方が基本的に使いやすい。そして多くの場合、われわれは物理キーボードがスマートフォンに付いていることを期待する。Droidが物理キーボードを装備しているというのはセールスポイントになる。できればVerizon Wirelessのネットワークにとどまっていたいというユーザーの中には、この点を重視する人もいるかもしれない。
AT&Tとは異なり、Verizon Wirelessは必ずしもiPhoneを必要としないことを実証した。確かに、同社にiPhoneがあれば素晴らしいかもしれない。しかしAndroidが優れたタッチ機能を実現していることを認識している同社にとって、iPhoneはもはや必須のアイテムではない。これはVerizonとの交渉でAppleの立場を弱める要因だ。
AppleがAT&T以外のキャリアを検討したとしても、iPhoneをVerizon Wirelessの顧客に提供できない可能性も十分にある。その場合、同社に残されるのは、T-MobileかSprintという選択肢だ。どちらも似たり寄ったりだ。両キャリアとも、AT&TおよびVerizon Wirelessから大きく引き離されている。現実的には、AppleにはiPhoneをVerizon Wirelessに提供するほかに選択肢があるとは思えない。しかしVerizonがiPhoneの販売を拒めば、AppleはAT&Tに縛り付けられる可能性がある。
現時点では、iPhoneの将来は明るそうに見える。だからといって、同社が今後も支配的地位を維持するとは限らない。もしVerizon Wirelessが巨額の資金をAndroidに投入すれば、Googleのプラットフォームがモバイル分野に本格進出し始めることも十分にあり得る。そして最終的に、AndroidがAppleを敗走させる可能性もある。
要するに、何が起きてもおかしくないのだ。
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