2010年の世界IT支出、クラウドとモバイルのけん引で3.2%増――米IDC予測

電気通信市場ではAppleのiPadの登場などにより、インターネットに接続するモバイル端末が10万台を超えるとIDCは予測する。

» 2009年12月04日 15時02分 公開
[ITmedia]

 米調査会社のIDCは12月3日、2010年の世界のITおよび電気通信市場に関する予測を発表した。世界的な景気の回復が見込まれ、IT支出も前年同期比3.2%増と2008年の1兆5000億ドル規模にまで復調するとみている。

 ハードウェア、ソフトウェア、サービスそれぞれが2〜4%成長し、特に2009年に厳しい状況だったハードウェアは大きく伸びると予測している。新興国市場は堅調で、特にBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)は8〜13%増となる見込み。

 2010年に市場が復調する中で大きな変革が起きるとIDCは見ており、その1つはクラウドサービスの隆盛としている。クラウドアプリケーションプラットフォームの競争が激化し、パブリッククラウドおよびプライベートクラウド、ハイブリッドクラウド向け管理ツールなどが成長する。また、クラウドAPIがエコシステムの新たな要素として台頭するという。

 IDCはもう1つの変革要因としてモバイル端末を挙げている。高性能なスマートフォンの普及により、モバイル端末はユーザーの主要なクライアント端末としての座をPCと争うようになりつつある。米AppleのタブレットPC「iPad」の登場も予想され、2010年末までには10億以上のモバイル端末がインターネットに接続するようになるとIDCは予測する。またモバイルアプリケーション市場も拡大し、iPhoneアプリは3倍の30万本に、Androidアプリは5倍以上になるとみている。

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