IE6を永眠させるべき10の理由

IE6の葬式を挙げるというイベントが米国で行われた。IE6が本当に消え去るのはまだ先だろうが、わたしたちは同ブラウザをきっちり埋葬して、忘れ去る必要がある。

» 2010年03月09日 07時30分 公開
[Don Reisinger,eWEEK]
eWEEK

 3月4日、Internet Explorer(IE)6を埋葬するために、100人もの人が米コロラド州デンバーに集まった。この葬式は、10年近く生き続けてきた同ブラウザの、長々と引き延ばされていた終わりを示す出来事となるだろう。そしてこの葬式の直後には、GoogleがYouTubeでIE6のサポートを終了する。

 IE6に永遠にさよならを告げたい人には残念なことだが、別れはすぐには訪れないだろう。同ブラウザは世界中のWindows XPユーザーや、レガシー製品に依存している企業に広く使われている。だからといって、引退させるべきではないということにはならない。IE6は長い間、批判の的になってきた。市場において、セキュリティ問題を引き起こしている最悪の「犯人」の1つとなっている。

 最悪の製品にも義理立てを続けることで悪名高いMicrosoftでさえ、IE6を使い続けるよりも、IE8にアップグレードするようユーザーに勧めている。簡単に言うと、ほとんどの人がIE6はずっと昔に最盛期を過ぎたと考えているということだ。

 だが、ただIE6が夕日に向かって走り去るのを見送るのは、おそらく正しいやり方ではない。IE6をきっちり埋葬して、忘れ去る必要がある。その理由を以下に挙げる。

1. とても醜い

 IE6をもっと新しいブラウザと比べてみると、ほとんどの人はその醜さにショックを受けるだろう。インタフェースは極めて使いにくく、基本的なデザインはとうてい満足できるものではない。確かに、今ほどルックスが重要でない時代にデザインされたものではあるけれど、正直に言って、IE6は決して格好良くない。

2. パワーがない

 IE6は非常に処理能力が低い。実際、今広く使われているブラウザの中でもとりわけ遅い。Google Chromeなどの競合ブラウザと比べると見劣りする。Webページのレンダリングは並はずれて遅く、場合によってはページが適切にロードされない。簡単に言えば、IE6には今にふさわしいパワーも機能性もないということだ。

3. 大きなセキュリティホール

 IE6が大きな問題を抱えているのがセキュリティだ。ほかのバージョンのIEとは違って、IE6にはセキュリティ問題があふれていた。残念なことに、Microsoftの対処があまりに遅いこともあった。こうしたセキュリティ問題は、MozillaのFirefoxの人気上昇に大いに貢献した。忘れないように言っておくが、IE6は実質、大きなセキュリティホールだった。

4. 評判の問題

 Microsoftは評判を気にする。おそらくそれは、同社が最新ブラウザを売り込み、IE6ユーザーに移行を促す上で重要だからだろう。IE6リリース前は、Microsoftのブラウザで本当にトラブルになった人はほとんどいなかった。皆、完ぺきではないけれど動くということを知っていた。IE6の後では、多くのユーザーが同ブラウザのありのままの姿――失敗しそうな製品――を目にして、Microsoftの評判は落ち込んだ。

5. 互換性がない

 今IE6を使ってお気に入りのWebサイトにアクセスしようとすると、そのうち幾つかはうまく表示されない可能性がある。同ブラウザは新しいWeb標準の多くに対応していないからだ。アクセスしているサイトが10年前にできたものなら問題ない。だが、数年以内にできたサイトなら、立ち去った方がいい。これは葬り去られるべきブラウザの明確な印だ。

6. Googleに捨てられた

 ことインターネットに関して言えば、Googleほど重要な企業はない。多くの点で、同社は法人とWebユーザーの先頭に立っている。だからGoogleがIE6をGoogleドキュメントとYouTubeでもうサポートしないと発表したとき、同社は明確なメッセージを送ったことになる。「IE6は死んだ」と。世界のほかの人たちがそれを認識するのはいつだろうか?

7. 世界の嫌われ者

 世界のほかの人たちと言えば、大多数の人がIE6に耐えられないようだ。それはもっともだ。先に述べたように、同ブラウザはあまりに多くのセキュリティ攻撃に利用されてきた。長期的に通用するブラウジング体験を提供することもできなかった。世界中の人に嫌われるのもいたしかたない。彼らがIE6を葬り去りたいと思うのも仕方ない。

8. Microsoftさえ忘れたがっている

 Microsoftはことあるごとに、ユーザーにIE6から新しいバージョンに乗り替えてもらいたいという意向を示唆している。もっともなことだ。IE6は長年、Microsoftにとって苦痛の種以外の何者でもなかった。生みの親がIE6を葬るために本文を尽くしているのだから、同社の名において葬式を出してももっともかもしれない。

9. ユーザーのIE離れの原因に

 IE6は、Firefox、Opera、Google Chromeなど競合ブラウザにとっては、災いのようでいて実際は恵みだった。IEを使って痛い目を見たことのある人は、IEの別のバージョンをインストールせずに、競合ブラウザをインストールする方を選んでいる。わたしたちにとってはそれで問題ないが、Microsoftにしてみれば、早いところIE6を永眠させた方がいい。

10. IE6はもう時代遅れ

 先に挙げた問題から分かるように、IE6は時代遅れだ。まず、かなり古くなっている。次に、IE6を改善したIE7とIE8が出ている。そして最悪なことに、どのレベルでもライバルと張り合えない。IE6はその人生において、今は混乱をもたらすものでしかない。レガシーサービスとの互換性以外の価値はほとんどない。IE6がこれ以上のダメージをもたらす前に、永久の眠りにつかせる必要がある。さようなら、IE6。悪いけど、たぶん君がいなくなってもさみしいと思うことはないだろう。

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