日立が見出した、イベント会場での「ヒトの行動パターン」とは?ビッグデータで集客アップ(3/3 ページ)

» 2014年10月27日 08時00分 公開
[池田憲弘,ITmedia]
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検証が可能になることが“データ化”の価値

 改善点が多く見つかる一方で、ステージイベントの集客力が証明されるなどのうれしい発見もあった。こうした知見を基に、今年度のHitachi Innovation Forum 2014 TOKYO(2014年10月30日〜10月31日、東京国際フォーラム)では、ブースのレイアウトを一新して臨む。

 イベントステージを中央に設置し、通路の多くが斜め方向になるように展示を配置して、長い直線の通路を作らないように工夫したという。また、会場内の5分後の混雑を予測して、会場内のサイネージに表示させることで混雑の平準化も狙うそうだ。

photo 2013年のレイアウト
photo 2014年のレイアウト。イベントステージを中央に設置し、通路の多くが斜め方向になるように展示を配置している

 もちろん、日立側が意図したとおりに来場客が動いてくれるかは分からない。今回も人の流れをセンサーで分析し、効果の検証を行う。しかし検証を行えること自体が大事だと、野宮氏は強調した。

 「今までイベントの会場設計というのは、勘や経験に頼る部分が大きいものでした。固定観念に囚われやすかったと言ってもいい。検証を可能にすることで、PDCAを回して次への改善に生かせるわけです。担当者が変わってもノウハウを引き継ぎやすくなるし、データで明示することで、レイアウトの変更を参加者に納得してもらいやすくなるところも大事なポイントです」

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