なぜ、あきんどスシローは市場の変化に敏感でいられるのか?

右肩上がりで成長する回転すしチェーン「スシロー」。さらに海外事業を拡大するためにOLAPデータベース「Oracle Essbase」を導入した。

» 2014年12月10日 17時20分 公開
[ITmedia]

 「スシロー」のブランドで回転すしチェーンを展開するあきんどスシロー。2011年から海外展開にも注力する同社にとって、人件費の上昇や魚介類の価格高騰といった変化に敏感でなければ生き残れない。

スシロー スシローのWebサイト

 さらなる海外事業の拡大のため、同社は国内外のグループ企業の経営状況をリアルタイムに把握できるシステムを求めていた。そのため経営管理システムをOLAPデータベース「Oracle Essbase」により刷新した。これによりKPIだけでなく財務諸表、キャッシュフローのほか、エリア別や店舗別、出店年度別などによる情報の把握ができるようになった。

 従来、経営会議向けの資料を表計算ソフトで作成しており、その数値入力に時間がかかり過ぎる上に情報の分析と活用が不十分であったことも問題視。新システムの稼働により数値入力作業は3〜5営業日から0.5営業日まで短縮できた。さらに表計算ソフトに入力した数値を自動的にEssbaseに読む込む関数を組み込み、海外のグループ会社が入力したデータも日本の本社で把握、管理できるようになった。

 あきんどスシローは、経営戦略に合わせた柔軟性と拡張性を持ちながら短期導入が可能な点も評価。実際に、採用決定から1カ月で導入が完了し、3カ月後には本格稼働した。

 結果的に、業務部門ユーザーが経営陣の要望に柔軟かつ迅速に対応できるようになり、有効な分析項目や新たなKPIの指標の発見と設定も可能になったという。同社のジョン・ダーキンCFOは、「会社の状況をリアルタイムで把握し、一歩先を見据えた事業戦略を打つために導入した。数値の入力作業が大幅にスピードアップしただけでなく、非財務情報を含めた経営関連データを多角的な視点で分析できるようになった」とコメントする。

関連キーワード

寿司 | 経営 | BI | 海外展開 | Oracle(オラクル) | OLAP


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ