“see it coming”とは、何かが起こることを予測できるという意味で、一般的に悪い状況を表すときに使うことが多い表現です。“He saw it coming but he had no means to prevent it.”(そうなると思ったが、それを阻止する術がなかった)と使います。逆に全く予想をしなかったことが起こったり、予想外の事実を知ったときに、“I didn't see that coming.”「そうくると思わなかった」と言います。
それに対して、“see someone coming”というと、「だましやすい相手と見極める」「足元を見る」という全く別の意味になります。利用される相手が自ら近づいてきたときに使う表現で、いわゆる「カモがネギ背負ってやってくる」ことで、“He saw me coming.”といえば「彼に足元を見られた」、“You can buy that at half price. They must have seen you coming.”(それ半額で買えるよ。あいつらにカモられたな)のように使います。