「印刷した書類をプリンター周辺に置き忘れてしまう」「誰が、いつ、何を印刷したのか把握できていない」──。こうした印刷まわりの課題が情報システム部門からよく聞かれます。セキュアプリント(印刷セキュリティシステム)を導入すれば、認証印刷や出力ログの管理により、情報漏えいのリスクを抑えながら印刷環境を最適化できます。本記事では、その仕組みや導入メリット、注意点、選定基準を解説します。
この記事のポイント
- セキュアプリント(印刷セキュリティシステム)とは: 社内のプリンターや複合機での出力を、認証や権限設定によって制御する仕組みです。
- 導入メリット: 認証印刷と出力ログの記録により、情報漏えいリスクの低減と印刷コストの最適化を同時に実現できます。
- システム選定の基準: 対応プリンター・複合機の範囲や、認証方式の柔軟性を確認することが重要です。おすすめ製品の比較表はこちら。分からなければ「専門家に聞く」手段もあります。
- 主な機能: 認証印刷、出力ログ管理、印刷制限・ポリシー管理、コスト管理・レポートなどの機能が搭載されています。
目次
セキュアプリント(印刷セキュリティシステム)とは
社内のプリンターや複合機での出力を、認証や権限設定によって制御する仕組みです。誰が何を印刷したかを記録・管理することで、印刷物の取り違えや置き忘れによる情報漏えいを防ぎます。印刷セキュリティシステムとも呼ばれ、複合機メーカーやセキュリティベンダーから多様な製品が提供されています。
定義と基本機能
セキュアプリントの中核機能は、認証印刷・出力ログ管理・印刷ポリシー設定です。ICカードやパスワードで本人認証を行った後にのみ印刷物が出力される仕組みにより、印刷物をプリンター前に放置するリスクを抑えます。誰が、いつ、どの端末から、何を印刷したかのログを記録し、必要に応じて印刷内容の履歴を確認できます。
対象となる印刷業務の範囲
対象となるのは、複合機やプリンターを利用するあらゆる部門の印刷業務です。総務・経理部門での契約書や請求書の出力、営業部門での提案資料の出力、開発部門での設計図面の出力など、機密性の高い書類を扱う業務ほど導入効果が大きくなります。拠点をまたいだ印刷や、外出先からのモバイル印刷に対応する製品もあります。
なぜ今必要とされるのか
働き方の多様化に伴い、複数拠点やフリーアドレスのオフィスで印刷を行う機会が増えています。プリンターの共有台数が多いほど、印刷物の取り違えや放置のリスクは高まります。個人情報や機密情報を含む書類の紙媒体での漏えいは、電子データの漏えいと同様に重大なインシデントにつながりかねません。印刷という日常業務の中にこそ、見落とされがちなセキュリティリスクが潜んでいます。
セキュアプリントのメリット・デメリット
セキュアプリントの導入には、情報漏えいリスクの低減や印刷コストの適正化といったメリットがある一方、初期設定の手間や運用ルールの整備といった課題も伴います。自社の印刷環境に合わせた計画的な導入が求められます。
導入メリット
主なメリットとして、情報漏えいリスクの低減、印刷コストの最適化、内部統制・監査対応の強化が挙げられます。
情報漏えいリスクの低減
認証印刷により、印刷物がプリンター前に放置される時間そのものがなくなります。第三者による盗み見や誤って持ち去られるリスクを抑え、紙媒体からの情報漏えいを未然に防ぎやすくなります。
印刷コストの最適化
認証を経てから出力されるため、間違えて何度も印刷してしまう、あるいは印刷したこと自体を忘れて放置されるといった無駄な出力が減ります。部門別・個人別の印刷枚数を可視化できる製品では、用紙やトナーのコスト削減にもつながります。
内部統制・監査対応の強化
出力ログが自動的に記録されるため、情報漏えいが疑われる事案が発生した際の原因究明が容易になります。監査やセキュリティ認証の取得時にも、印刷物の管理体制を客観的な記録として示せます。
デメリット・注意点
システムを導入するだけでなく、運用ルールの整備と周知が欠かせません。
導入・設定にかかる手間
既存のプリンターや複合機がシステムに対応しているかの確認、認証方式の選定、印刷ポリシーの設計など、導入前の準備に一定の工数がかかります。拠点数や台数が多い企業ほど、展開に時間を要する傾向があります。
従業員の操作習熟と一時的な負荷
認証印刷では、これまでのボタン一つでの印刷から、ICカードのタッチやパスワード入力といった一手間が加わります。導入初期は操作に戸惑う従業員も出てくるため、案内や周知の期間を設けることが望ましいでしょう。
セキュアプリントの主な機能
製品選定の前に代表的な機能を確認しておくことで、自社の印刷環境に合った製品を選びやすくなります。
認証印刷機能
ICカード、パスワード、生体認証など複数の方式で本人認証を行い、認証されたユーザーのみが印刷物を受け取れる機能です。認証を経るまで印刷データはサーバー上に保留され、プリンター前での放置を防ぎます。
出力ログ管理機能
誰が、いつ、どの端末から、何を印刷したかの履歴を自動で記録します。ファイル名や印刷枚数、カラー・モノクロの別まで記録できる製品もあり、監査対応や利用実態の把握に活用できます。
印刷制限・ポリシー管理機能
部門やユーザーごとにカラー印刷の可否、印刷可能枚数、特定の用紙サイズの制限などを設定できます。機密文書に自動で透かしを入れる機能を備えた製品もあります。
コスト管理・レポート機能
部門別・個人別の印刷枚数やコストを集計し、レポートとして出力できます。印刷量の多い部門や無駄な出力の傾向を可視化し、コスト削減施策の検討に役立てられます。
主なセキュアプリント(印刷セキュリティシステム)の機能比較表
| 製品名 | 認証印刷機能 | 出力履歴・ ログ管理機能 |
ICカード・ 生体認証対応 |
放置印刷・ 覗き見/持ち去り 防止機能 |
特定キーワード・ 禁止設定機能 |
情報セキュリティ認証 (ISO27001等)取得 |
入退室・施設 セキュリティ管理 |
モバイルアプリ・ クラウド連携 (OneDrive等) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| PrintOne | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ─ (要確認) |
─ (要確認) |
─ (要確認) |
| SecurePrint!Suite | ○ | ○ | ○ | ○ | ─ (要確認) |
─ (要確認) |
─ (要確認) |
─ (要確認) |
| SPSE PRINT SCOPE | ○ | ○ | ○ | ○ | ─ (要確認) |
─ (要確認) |
─ (要確認) |
─ (要確認) |
| TASKGUARD IDマネージメントシステム | ○ | ○ | ○ | ○ | ─ (要確認) |
─ (要確認) |
─ (要確認) |
─ (要確認) |
| セキュアプリントサービス | ─ (要確認) |
─ (要確認) |
─ (要確認) |
─ (要確認) |
─ (要確認) |
○ | ○ | ─ (要確認) |
| ※2026年8月時点のITセレクト製品データベース情報および製品公式Webページ情報より、AIを用いて作成 ※AIは誤った情報を生成することがあります。最新情報は各製品・サービスの公式情報を参照の上ご活用ください 掲載情報についてのお問い合わせ |
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セキュアプリントの選定で確認すべき3つの観点
製品選定にあたり、以下の3点を中心に評価することを推奨します。
対応プリンター・複合機の範囲
既存のプリンターや複合機がシステムに対応しているか、あるいは対応機種への入れ替えが必要かを確認します。対応機種の範囲が狭いと、拠点によって運用方法が分かれてしまう可能性があります。
認証方式の柔軟性
ICカード、社員証、モバイル端末など、自社で利用しやすい認証方式に対応しているかを確認します。来訪者や外部委託先が一時的に利用する場合の運用方法もあわせて検討しておくと安心です。
ログ管理とレポート機能の充実度
出力ログの保存期間や検索性、レポートの出力形式を確認します。監査対応やインシデント発生時の調査を想定し、必要な情報を過不足なく確認できるかが選定の分かれ目になります。
セキュアプリントのよくある質問(FAQ)
「セキュアプリント(印刷セキュリティシステム)」の導入検討において、ユーザーから多く寄せられる質問に回答します。
Q1. セキュアプリント(印刷セキュリティシステム)とはどのような仕組みですか。
社内のプリンターや複合機での出力を、認証や権限設定によって制御する仕組みです。ICカードやパスワードで本人認証を行った後にのみ印刷物が出力される仕組みにより、印刷物の置き忘れによる情報漏えいを防ぎます。
Q2. セキュアプリント(印刷セキュリティシステム)を導入すると印刷コストは削減できますか。
認証を経てから出力されるため、間違えて何度も印刷してしまう、印刷したこと自体を忘れて放置されるといった無駄な出力が減ります。部門別・個人別の印刷枚数を可視化できる製品では、用紙やトナーのコスト削減にもつながります。
Q3. セキュアプリント(印刷セキュリティシステム)の導入で従業員の操作は変わりますか。
これまでのボタン一つでの印刷から、ICカードのタッチやパスワード入力といった一手間が加わります。導入初期は操作に戸惑う従業員も出てくるため、案内や周知の期間を設けることが望ましいでしょう。
Q4. セキュアプリント(印刷セキュリティシステム)は外出先からの印刷にも対応していますか。
拠点をまたいだ印刷や、外出先からのモバイル印刷に対応する製品もあります。既存のプリンターや複合機が対応しているかどうかは製品によって異なるため、事前の確認が必要です。
まとめ|セキュアプリントは、“デジタル化時代”だからこそより必要となる対策
セキュアプリント(印刷セキュリティシステム)は、日常的な印刷業務に潜む情報漏えいリスクを抑えながら、印刷コストの最適化と内部統制の強化を実現します。認証印刷によってプリンター前での書類の放置がなくなり、出力ログの記録によって誰が何を印刷したかを追跡できるようになります。デジタル化が進んだ昨今、紙で印刷するものは「より重要であるもの」「より機密性が高いもの」に厳選されています。そのため、紙媒体のセキュリティ対策は電子データの対策と同じくらい重要な対策です。
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