地上デジタル放送推進協会(D-Pa)によると、地上デジタル放送を受信できる家庭は2005年末までに約2700万世帯に及ぶという。日本の全世帯数に対する割合は約57%となり、いよいよ本格的なデジタル放送時代が幕を開ける。そうした状況を受けて、“今後買いたい家電製品”のトップを独走するDVDレコーダーにも変化が現れてきた。
ハイビジョン録画といえば、本来ならBlue-rayレコーダーが最初に挙げられるべきかもしれない。しかし、Blue-rayはまだメディアが高価なことや、次世代DVD統一交渉などを考えると、しばらく様子を見たい人も多いだろう。また、現在市場にある3機種の中でHDDを内蔵しているのはシャープ「HD-BD100」のみ。ハイブリッドレコーダーに慣れたユーザーにとっては歯がゆい状況だ。
そうした中途半端な時期に相次いで登場したのが、デジタル3波チューナー(地上デジタル/BSデジタル/CS110度デジタル)を内蔵し、DVDメディアへのダウンコンバート記録が可能なDVDレコーダー。東芝「RD-Z1」、ソニー「RDZ-D5」、松下「DMR-EX100/300」が相次いで登場し、先行していたシャープや日立製作所を合わせ、大きなトレンドになっている。
DVDレコーダーではトップブランドである松下電器産業の「DIGA」シリーズに、初のデジタルチューナー内蔵モデル「DMR-EX100/300」がくわわった。ハイエンドAV機器というより、従来のDIGAシリーズの延長線上にあるイメージが強く、より幅広いユーザー層を狙った製品として注目を集めそうだ。
ソニーの「スゴ録」に地上/BS/110度CSデジタルチューナー搭載モデル「RDZ-D5」が登場した。同種の製品は複数あるが、自動録画機能を売りにしている「スゴ録」。しかもGUIには「XMB」を採用している。その使い勝手を細かく検証していこう。
東芝の「RD-Z1」は、ネットdeナビ、WEPGといった機能が魅力のRDシリーズに、デジタル放送録画機能を追加したハイエンドのDVD&HDDレコーダーだ。ハイビジョン番組を変換してDVDに残すこともできる。今回はハイビジョン録画に注目して検証した。
シャープは2月16日、「AQUOSハイビジョンレコーダー」の新製品3機種を発表した。いずれもデジタル3波対応チューナーを搭載し、画質劣化のないストリーム録画をサポート。このうち2機種には、新たにHDMI端子を装備した。
日立製作所は8月5日、地上/BS/110度CSデジタルチューナーを搭載し、ハイビジョンの画質をそのままHDDに録画できるハイブリッドレコーダー2機種を発表した。5倍速DVD-RAM対応により、業界最速の約30倍速ダビングが可能に。
地上波での展開も本格化し、状況は落ち着きつつあるデジタル放送だが、いずれにせよ、悩ましいのが録画。しかし、パイオニアの新しいDVDレコーダー「DVR-920H-S」は、アナログ放送を中心に置きつつ、かなり実用的なハイビジョン録画機能を持っている。その実用性と制限を検証していこう。
ダウンコンバートとは、ハイビジョンのMPEG-2 TS信号をSD解像度(525i)に落として記録すること。もちろん画質劣化は避けられないが、もともとデジタル放送はノイズやゴーストのないクリーンな受信が可能であり、SD品質に落としてもアナログ放送録画よりは高いクオリティが期待できる。また、HDDにはTS信号をそのまま記録しているため、まずHDDに録画したものをハイビジョンで観て、保存しておきたい番組だけDVDにムーブするといった使い方ができる。
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