すっかり身近な存在となったコンパクトデジカメ。現行機種ならば、小型軽量化と撮像素子の高画素化といった基本性能はかなりのレベルに達しており、光学式/電子式手ブレ補正や高感度撮影も一般的な機能となることで、日常的に利用するスナップカメラとして使う分には「どれを選んでも同じ」的な意見を聞くことも増えてきた。
レンズ交換やアクセサリーの導入で本格的な撮影も可能なデジタル一眼レフカメラの普及が進んできたことも、そうした意見の背景にはあるだろう。しかし、デジタル一眼レフカメラはその性格ゆえ、「デジタル」であることをいかした先鋭的な製品が登場しにくいという側面もある。
コンパクトデジカメはレンズマウントや形状などに旧来的な意味での「カメラ」としての制約を受けないため、より自由な発想での製品作りが行われやすく、水深10メートルで利用できるような耐水性を持つ製品や笑った顔を認識する笑顔認識を備えた製品、YouTubeへ動画投稿を素早く行える製品など、ユニークな製品が多く登場している。
コンパクトとはいえカメラなので、基本的な撮影機能が重視されるべきであることは確かだが、こうした特徴的な機能を製品選択の指針にするのも悪くない。今回はそうした“一芸”を持つコンパクトデジカメを目的別に集めてみた。
コンパクトデジカメではボディ形状の制約から光学レンズの倍率は3〜5倍程度であることが多いが、高倍率をウリとする機種に目をやると18倍ズームというレンズを備えた製品がいくつか登場している。オリンパス「CAMEDIA SP-560UZ」、パナソニック「DMC-FZ18」 (レビュー)、富士フイルム「FinePix S8000fd」はいずれも光学18倍ズームレンズを搭載。DMC-FZ18は35ミリ換算で504ミリという超望遠撮影が行える。これだけの高倍率をデジタル一眼レフで実現するとなると、非常に高価な光学ズームレンズを導入せざるを得ないため、超望遠撮影を手軽に、というヒトには有力な選択肢となるはずだ。
奥行きのない室内で大人数を写す際や遠近感を強調したいとき役立つのが、広角レンズ。コンパクトデジカメではワイド側が35ミリや38ミリ(いずれも35ミリ換算)からのレンズを備える製品が多いが、パナソニック「DMC-FX50」 (レビュー)やキヤノン「IXY DIGITAL 910 IS」 (レビュー)、ニコン「CoolPix P50」、オリンパス「CAMEDIA FE-290」などが28ミリからのレンズを搭載している。このように28ミリからのレンズを搭載する機種はそれなりに選択の余地があるが、それ以上の広角を望むととたんに選択肢は少なくなり、現行機種では27ミリからの富士フイルム「FinePix S8000fd」や24ミリからのレンズを搭載するリコー「Caplio GX100」 (レビュー)があるぐらい。
撮影した写真をその場で楽しめるのはデジカメの持つ大きな特徴。気軽に携帯できるコンパクトデジカメでは、普段は本体液晶だけで見ているという人も多いだろう。そうした“写真を見る”楽しみを広げてくれるのが、大型の背面液晶だ。「大型背面液晶」をうたう機種の多くが3インチの液晶を搭載するが、ソニーの「DSC-T200」 (レビュー)はクラストップとなる3.5インチワイド液晶を搭載する。わずか0.5インチの違いではあるが、手にするとその違いは大きく感じられる。
また、ソニーのサイバーショットシリーズは今春以降に発売されたモデルのすべてで1920×1080ピクセルの静止画をハイビジョンテレビへ出力できる機能を備えている。これまでも多くのデジカメがテレビ出力機能を有していたが、対応サイバーショットと液晶テレビ「ブラビア」の組み合わせでは、テレビ側の画質モードが写真閲覧に適したモードに切りかわる。
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