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明るい単焦点レンズを持つスナップデジカメ――リコー「GR DIGITAL III」レビュー(2/4 ページ)

» 2009年08月21日 08時30分 公開
[永山昌克,ITmedia]
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シャッターチャンスに有利なフルプレス機能

 ボディ上部の電源ボタンを押すと、レンズ部が約22ミリほど突き出し、約1.8秒で液晶モニタが点灯する。液晶は従来製品から大型化と精細化を図り、3.0型/約92万ドットとなった。視認性に優れており、屋内屋外を問わず液晶の見え方に不都合を感じることはなかった。大画面化にともなってメニューデザインが改良され、多項目を一覧できるのも便利だ。

photo 上部にモードダイヤルを備え、グリップ部の前と後には絞り値などを調整するための小さなダイヤルがある

 AFは一般的なコントラスト検出方式を採用する。9点の測距点が自動で選ばれる「マルチ」と中央1点固定の「スポット」を選択でき、測距点を手動で好きな位置に動かすこともできる。AFスピードはまずまず。ただし逆光時はAFが合いにくくなる。

 マニュアルフォーカス(MF)の使い勝手のよさには注目したい。フォーカスモードをMFにすると、液晶の左下に距離目盛付きのバーが表示されるが、特に撮影モードをマニュアル露出または絞り優先AEにした場合には、バーの上に被写界深度の範囲が表示される。つまり、ピントの合う範囲が一目瞭然なので、絞り込んだパンフォーカスの状態で、AFタイムラグの少ないスナップを撮るのに役立つ。

photo 大画面化し見やすくなった液晶モニタ。撮影設定メニューでは、画質・サイズやフォーカスモード、測光、連写、オートブラケットなどを設定できる
photophoto シーンモードでは「ダイナミックレンジダブルショット」のほか、斜め補正、文字モード、動画モードを選べる(写真=左)、背面上部のダイヤル(ADJ.レバー)を押して、ホワイトバランスや感度、画像設定などをダイレクトに切り替えられる(写真=右)

 この被写界深度表示の機能は従来モデルから継承したものだが、本機ではさらに「フルプレススナップ」機能に新対応した。これはフォーカスモードをAFにしている場合に、シャッターボタンを半押しをせずに一気に押し込むと、AF作動がキャンセルされ、事前に設定した「スナップフォーカス距離」(1メートル/2.5メートル/5メートル/∞)で素早く撮影する仕掛けだ。その際に、感度を自動的に高めにして手ブレや被写体ブレを軽減するオプションもある。突然訪れるシャッターチャンスに対応するための、スナップ撮影向けの工夫であり、速写スナップに適した本カメラの性格をいっそう際立たせる機能といえる。

 そのほかの新機能としては、常にピント合わせの動作を行うことで、半押し時のAF時間を短縮する「プレAF」や、画面を分割してホワイトバランスを自動調整する「マルチパターンAUTO」モード、自動的に2カットを撮影・合成して広階調の画像に仕上げる「ダイナミックレンジダブルショット」、シャッター速度優先AEモードなどを搭載した。音と表示でカメラの傾きを確認できる水平インジケーターや、一定間隔で自動撮影するインターバル撮影などの便利な機能は引き続き備える。

photo 記録メディアは約88MBの内蔵メモリとSD/SDHCメモリーカード。電源は専用リチウムイオン充電池で、CIPA準拠の電池寿命は370枚。緊急用に単四形アルカリ電池2本も使用可能

カメラを自分流に染めるキーカスタマイズ

 自分の撮影スタイルに応じて操作性を細かくカスタマイズできることは、GR DIGITALシリーズに共通した魅力だ。本モデルでは、カスタマイズ性がさらに強化された。そのひとつは、機能登録が可能なFnボタンが従来の1つから2つに増えたこと。十字ボタンの左がFn1ボタンで、セルフタイマーボタンがFn2ボタンとなり、それぞれに任意の機能を割り当てられる。

photo 2つのFnボタンのほか、これまで同じくズームレバーやADJ.レバーの割り当て機能の変更もできる
photophoto キーカスタム設定のメニュー画面。ここをきっちり設定しておくと使い勝手がいっそう向上する(写真=左)、セットアップ画面では、液晶の輝度調整や操作音、ISO AUTO−HIの際の上限感度、AF補助光などを設定できる(写真=右)

 もうひとつは、カメラの各種の設定の状態を登録するための「マイセッティング」がひとつ増えて、MY1/MY2/MY3の3モードをダイヤル操作で選べることだ。さらに、マイセッティングに名前を付けて、最大6セットまでをメニュー内に保存するマイセッティングBOX機能も新搭載した。例えば、風景用や人物用、メモ用といった自分なりのシーン別設定を登録したり、画質や感度などが異なる複数の設定を登録したり、使い方はいろいろ考えられる。

photo 内蔵ストロボは手動のポップアップ式。上部のホットシューにはオプションの外部ストロボや光学ビューファインダーを、レンズ部にはワイコンやフードをそれぞれ装着できる

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