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» 2012年11月09日 15時34分 公開

薄型テレビの相棒が進化:サウンドバーは同じじゃない、ヤマハ「YSP-4300」を徹底検証(前編) (3/3)

[坪山博貴,ITmedia]
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誇張のない自然なDSP効果も魅力

 今回は、ドルビーTrueHDで収録された映画BD、BSデジタルで録画したマルチチャンネルの音楽ライブなどを中心に試聴した。

視聴環境のリビングルーム。フレーム部の大きい数年前の50V型プラズマテレビ(パイオニア、PDP-5010HD)にぴったり。縦長の部屋を横に使用するという悪条件だったが、調整の結果は良好だった

 まず、映画におけるセリフの定位、マルチチャンネル効果はしっかりと再現されていた。リビングでの試聴では、背面だけから音が聞こえてくるような効果こそ少し薄めであったが、そもそもコンテンツ側が大げさな音の回り込み効果を狙っていたのはが昔の話で、最近は自然な再現性にこだわった収録が多い。コンテンツ側の意図を十分に感じられるという点で不足は感じられない。

 音楽ライブではやはりピュアオーディオ的な進化が強く感じられた。ボーカルにつやがあり定位もしっかりしている。音楽ライブの場合、コンテンツ側で観客の声援の回り込みなどを強く意図していることも多いが、こちらも非常に臨場感のある物だった。スタジオを収録された音楽番組ではシネマDSPも試してみたが、ミュージックビデオやコンサートホールといったモードを利用してもボーカルが引っ込むことなくエフェクト効果が加味され、ライブ感がぐっと増すあたりは、長年DSPを手がけている同社ならではという印象だ。実際、2チャンネルソースからサラウンド効果を作り出す場合、ライブ感は出るものの肝心のボーカルが引っ込んでしまう製品は決して少なくないのだ。

テレビだけじゃない、リビングルームのオーディオにも

付属の「YIT-W12」をiPhone 4Sに接続して音楽再生中

 薄型テレビにYSP-4300を組み合わせた時の音のグレードアップ効果は絶大だ。少し厳しい意見かも知れないが、多くの家庭でリビングの中心であろう薄型テレビは、大画面化とともに狭額化が進み、現実問題として音質は悪くなっている。多くの薄型大画面テレビが音質的には理想とはいえない楕円形のスピーカーユニットを採用したり、下部や側面の狭いダクトから音を出すようになっている状況だ。コストダウンの圧力で音には手が回らないというのも、今の薄型テレビの実情だろう。

 大画面薄型テレビの低価格化が進む現状において、YSPシリーズは決して安い買い物とはないかもしれない。しかし一度体験してしまうと二度とテレビのスピーカーでは満足できなくなるだけインパクトがあるのも事実だ。それがテレビの前にポンと置くだけのメインユニットと、設置場所を問わないサブウーファーの追加だけで得られる。セッティング作業も自動化されているから、宝の持ち腐れになることもない。

 そしてもう1つ、YSP-3300とYSP-4300は、同梱(どうこん)されるワイヤレスユニットがUSB接続に対応することで、PCからのワイヤレス音楽再生が可能になる点も見逃せない。YSP-4300では、USB接続したポータブルプレーヤーやUSBメモリ内の音楽ファイルの直接再生も可能で、さらに最近になって見直されているFMラジオのチューナーも搭載していることも合わせ、リビングルームで気軽に使えるオーディオ機器としての魅力が増した。後編では、こういった点を詳しく検証していこう。

使った人の反応がリアルに分かる特設サイト

「YSP EXPERIENCE」

 YSPシリーズに限らず、サラウンド機器の効果を説明するのはなかなか難しいものだ。しかし、使った人たちの表情をリアルタイムに見ることができたら、どうだろう?

 ヤマハがYSP-3300/4300のリリースに合わせて公開した特設サイト「YSP EXPERIENCE」は、音のプロからサッカーファンまで、8人が実際にYSP-4300を体験する模様を動画に納めるというユニークな試み。プロミュージシャンやシンガーといったプロフェッショナルがそれぞれの視点で体験した音を解説してくれる部分も興味深いが、やはり回り込む音に素で反応する姿には説得力がある。興味のある人は一度覗いてみては?


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