時計のサイズは65(横)×31(縦)×11(奥行き)ミリ、質量は約21グラム。スイッチなどは搭載されておらず、じゃがいもに電極を差し込むだけですぐに時刻が表示される。
時刻は初期状態では12月1日の午前12時に設定されているので、時刻を合わせる必要がある。時計の操作ボタンは2つのみ。液晶に表示されるのは時刻だけと実にシンプルで、右側のボタンを押すと月日表示に変わる。正直安っぽい感じだが、値段が値段だけに仕方ないだろう。
電極を挿し込むものはじゃがいもだけでなく、トマトやレモンなどリン酸を含む野菜やフルーツならば「電源」として使える。また、食べ物だけでなくコーラなどの炭酸飲料でもOKだそうだ。筆者もじゃがいものほかにレモンやコーラなどで試してみたが、いずれも時計はしっかり動いた。
ところでじゃがいもを使った場合、どれくらいの期間、時計が動くかJTTに問い合わせたところ、「野菜やフルーツが悪くなるまで」という回答だった。食材の大きさや量によっても異なるが、食物や液体の中にリン酸が残っている限りは使える。リン酸が尽きるよりも食材が腐るほうが早く訪れるケースのほうが多いということだろう。時計自体はかなり省電力なので、乾電池を使った場合とコストを比べた場合、どちらがお得なのかは分からない。
ちなみに使用したじゃがいもなどは、絶対に食べないように注意書きが記載されている。使用後の食物には亜鉛板から亜鉛がしみ出しているためだ。亜鉛は人体には必要な金属だが、過剰摂取すると身体に異常が起こる可能性があるという。とくに子どもが誤って口に入れないように注意が必要だ。使った食材を捨ててしまうのはちょっともったいない気もするが、時計の電源として立派に役立ってくれたのだからまあ良しとしよう。
「じゃがいもeco時計」は時計としては機能が貧弱で物足りないものの、じゃがいもに挿しただけで電池を使わずに時計が動いているのを見ると、そのビジュアルインパクトは大きい。使用する野菜やフルーツなどのレイアウトを工夫すれば、ユニークなインテリア小物としても使えるのではないだろうか。使った食材を誤って食べさせないように注意しさえすれば、子どもの学習実験用としても優れていると思う。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR