花火大会というのは多くの人が訪れるため、ベストな観覧場所を確保するのはなかなか難しい。しかも初めて行く花火大会となると、なおさらだ。あらかじめ地図を見て打ち上げ場所を確認し、そこから打ち上げられる花火を頭の中で思い描いて、どこから見るのがベストなのかを推測する必要がある。そのような場所選びの参考になるアプリが、キャドセンターの「AR花火スコープ」だ。
提供元のキャドセンターは、以前からAR(拡張現実)を活用した防災アプリ「ARハザードスコープ」を提供してきたが、この「AR花火スコープ」も同技術を応用したアプリだ。地図上で打ち上げ場所を確認できるだけでなく、カメラに写った映像にAR映像を重ねることにより、どんな具合に花火が打ち上がるのかをシミュレーションできる。
アプリを立ち上げたら、まずは花火大会の選択だ。検索方法はキーワード検索のほか、現在位置、開催日、開催地の3種類の方法で探せる。検索条件に合致した花火大会の一覧リストには、AR映像を見られるシミュレーションモード用のボタンと、詳細情報を確認するためのボタンの2つが用意されている。詳細情報には開催日や開催時間、会場案内に加え、荒天時の予定や打ち上げ数などの細かい情報も掲載されている。開催日で検索する場合は、カレンダー上で日ごとに開催される大会がまとめられているので便利だ。
シミュレーションモードでは、下部にマップ、上部にAR映像が表示される。下部のメニューから「現在地ON」をタップすると地図上に現在地と現在向いている方向が表示される。打ち上げポイントには旗のアイコンが記され、旗の方角を向くと花火の映像を打ち上げ音とともに楽しめる。打ち上げ場所までの距離に応じて花火の映像も大きさや打ち上げの高さが変わる仕組みだ。
試しに、筆者が毎年恒例で見に行く東京の「隅田川花火大会」の映像がどのように表示されるのかを現地で確認してみた。隅田川花火大会の場合、打ち上げ場所が第1会場と第2会場の2つあるのだが、会場ごとにシミュレーション映像を見られる。毎年いつも花火を見ている位置から隅田川の方角を見てみると、花火が打ち上がる空の位置にARの花火映像が映し出された。花火の位置や高さは毎回微妙に変わり、たまに変な位置に花火が表示されることもあるが、だいたいの位置は合っている。
ちなみに隅田川花火大会の場合、大会開始時から時間が経つにつれて打ち上がる位置が少しずつずれていくのだが、そのような時間経過による細かい位置の移動までは分からない。しかし、初めて訪れる花火大会で、花火が見える位置をおおまかに把握する分には十分役に立つと思う。
映像だけでなく花火が打ち上がる音もしっかりと入っており、臨場感をたっぷり味わえる。AR機能を抜きにしても、各花火大会の開催日時や打ち上げ場所を調べられるアプリとしてもかなり便利なので、今夏に花火大会に行こうと思っている人にはおすすめだ。現在配布されているのは首都圏版だけだが、このほかの地域についてもリリースを期待したい。
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