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ついにDSD録音に対応したソニーの“生録”レコーダー「PCM-D100」(2/2 ページ)

» 2013年09月17日 13時42分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 また新機能として「S/N 100dBモード」が挙げられる。これは2系統の録音を行うデジタルリミッターの仕組みを応用し、A/D変換時の内部ノイズを低減させる技術。片方はボリュームを大きくして録音し、DSP内で元のボリュームに戻すとノイズも縮小される。もう一方は通常ボリュームで録音し、DSP内で両方の出力を重ね、ノイズの小さな出力を得るという。「とくに小さな音を録音している際に効く」(同社)。なお、“S/N 100dB”ラインイン録音時に対応。マイク入力でも同じ機能は働くが、100dBまではならないという。

「S/N 100dBモード」の動作イメージ

 回路にもこだわった。基板は、入力用回路、出力用回路、記録用デジタル回路、電源回路の4層とし、それぞれの回路に独立した電源を配置

することで電気的な干渉とノイズの発生を抑えてきる。またボリュームには「PCM-D1」で採用した2軸4連ボリュームを採用。可変ゲインアンプ方式により、広いダイナミクレンジに対応するという。

 再生周りでは、D/Aコンバーター(DAC)は24bitを上回る32bit対応のPCM/DSD両対応チップを採用。またヘッドフォンアンプに電源を供給する回路には大容量の平滑コンデンサーを搭載し、安定した電源供給を可能にした。「PCM-D50では、突然の大音量のときに対応仕切れず、正しく再生できないことがあった。今回は33万μF電気2重層コンデンサーを採用して電源変動を抑えることで対応できた」(同社)。

モノクロディスプレイを採用したのも音質を重視しため(左)。方向キーの上部左右にカスタマイズ可能なファンクションボタンを備えている(右)

 機能面でも新機能は多い。例えば再生機能では、PCM再生時にサンプリング周波数を2/4倍にするアップサンプリングや音楽ジャンルに合わせたエフェクト機能などに加え、再生時に半音ずつ6段階の調整が可能なキーコントロールを新たに備えた。また編集機能では、従来からのファイル分割のほか、PCM-D50にはなかったトラックマーク機能やファイル結合、フェードイン/フェードアウトなどをサポートしている。ただし、DSD録音はトラックマークやフェードイン/フェードアウトに対応せず、ファイル分割/結合だけとなる。

付属のウインドスクリーン(左)とキャリングケース(中)、赤外線リモコンと受光部(右)

リモコン受光部はフレキシブルに向きを変えられる

 付属のワイヤレスリモコンは、外付けの受光ユニットを本体い取り付ける仕組み。受光部が2カ所ある上、ユニット自体の回転も可能で、広い範囲で受信できる。ほかにウインドスクリーンやキャリングケース、各種編集作業が行える付属アプリ「Sound Forge Audio Studio 10 LE」(Windows XP/7/8対応)のDVDなどが付属する。

 本体サイズは、約72(幅)×約156.8(高さ)×約32.7(奥行き)ミリ。重量は約395グラム。

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