録音時は録音モードのほか、ローカットフィルターの有無や音質効果(ノイズキャンセル、ステレオ強調、OFFから選択可能)などさまざまな設定を行える。これらの設定をシチュエーションごとにプリセットした「録音シーン」が、「ポケット」「会話」「会議」「講義」「ステージ」の5種類用意されている。
例えば「会話」の場合、録音モードがMP3(128kbps)、ローカットフィルターON、音質効果OFFで、「講義」の場合はMP3(192kbps)、ローカットフィルターON、音質効果OFF、「ステージ」ではPCM(44.1kHz)、ローカットフィルターOFF、ステレオ強調という設定になる。なお、いずれのシーンでもマイク感度は「高」で、VOS設定はOFF。このほか、これらの設定を自分好みに選べる「ユーザー」というシーンも選べる。
また、ファイルにインデックスを付けて再生時のスキップ操作でその位置を頭出ししやすくする「インデックス機能」や、一定間隔で設定された時間をスキップする「タイムスキップ」、再生開始位置を時間で指定してそこから再生できる「時間サーチ」、再生または停止中にメニューを押して繰り返し再生を行う「リピート学習」、隣合うインデックス間を繰り返して再生する「インデックスリピート」など、多彩な再生方法がある。
ユニークな機能としては、語学学習などで音声を聞きながら聞こえた音を同時に繰り返して言う「シャドーイング」を行うための「シャドーイング再生機能」がある。これはインデックスリピート区間を通常音量と無音で交互に繰り返し再生する機能で、英会話の勉強などに便利だ。
再生時の音質はイコライザーで調整することが可能で、高音域を強調する「CLEAR」と、低音域と高音域を強調する「HEAVY」、雑音を軽減して人の声を聞きやすくする「VOICE」の3種類から選択可能。また、ファイル分割も可能だ。
さらに、本体のマイクで集音した音を録音せずに強調・調整してヘッドフォンで聴ける「集音機能」も搭載する。集音シーンは「レクチャー」「テレビ」「パーティー」「ホール」の4種類。このとき、録音スイッチを入れることにより、集音機能で強調・調整された音声を録音することも可能だ。
この製品を買おうと思ったきっかけは胸ポケットに入れるのに適したその形状だったが、使ってみると実に多彩な機能が搭載されていて使い勝手が良かった。音質もローカットフィルターやノイズキャンセル機能などを設定することでかなりクリアになり、インタビューや打ち合わせで使った分には不満はまったくなかった。
また、この製品独自のシャドーイング再生機能も、英会話のトレーニングで使うのになかなか便利だ。価格が高めなのと、メモリカードを使えない点は残念だが、これらの点に納得できるのなら買いだと思う。
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