ヤマハは7月8日、“デジタル・サウンド・プロジェクター”の新製品「YSP-2500」を発表した。2010年秋の登場以来、安定した人気を保ってきた「YSP-2200」の後継機だ。8月上旬発売予定で、価格はオープンプライス。店頭では9万3000円前後(税別)になる見込み。
ヤマハのデジタル・サウンド・プロジェクターは、小口径のビームスピーカーを多数並べたスピーカーアレイを用い、指向性の強い音を壁に反射させることでリアスピーカーの効果を生み出す。形状は一般的なサウンドバーに近いが、信号処理のみのバーチャルサラウンド技術とは一線を画す“リアルサラウンド”が特徴だ。
YSP-2500は、YSP-2200と同様に28ミリ径のビームスピーカーを前面中央に16個並べた。異なるのは、ビームスピーカーを駆動するデジタルアンプに使用する電源用コンデンサーに変更を加えたことと、筐体(きょうたい)が“音のビーム”の放出に影響を与えないようにスピーカーの位置を少し前に移動させたこと。この新しいレイアウトに合わせた音質チューニングも施しており、ヤマハでは「ヌケの良い、より聞きやすい音質になった」としている。実用最大出力は合計32ワット。
付属のアクティブサブウーファーは、2.4GHz帯無線接続(Bluetooth)のワイヤレスタイプだ。キャビネットの板厚を増したほか、梁(はり)を2箇所増やすなどの構造強化で不要振動を低減。またインピーダンスの低減により信号変化による電源への影響を抑えたという。10センチ径ユニットを2基搭載し、合計75ワット(実用最大出力)の内蔵アンプで駆動する。
「シネマDSP」の音場メニューは、YSP-2200と同じ10種。HDMI入力の番組ジャンルを参照して自動的にサラウンドメニューを設定する「おまかせサラウンド」、セリフの音声帯域を持ち上げて聞き取りやすくする「クリアボイス」などを搭載した。一方、ヘッドフォン出力は新たにバーチャルサラウンドに対応した。
ユーザビリティの面では、日本語設定メニューを表示するOSD(オン・スクリーン・ディスプレイ)対応が大きな違い。YSP-2200では、メニューを表示するにはHDMI出力とは別にビデオケーブルをテレビに接続する必要があったが、新製品ではHDMIケーブル1本で済むことになった。HDMI出力はARC(オーディオリターンチャンネル)もサポートしており、テレビ音声を出力するために別途光デジタルケーブルを用意する必要もない(ARC対応テレビのみ)。
入力端子は、3系統のHDMIに加え、光デジタル2系統、同軸デジタル1系統、アナログRCA1系統。Bluetoothを内蔵し、スマートフォンなどからの音楽再生も可能だ。Bluetoothのバージョンは2.1+EDRで、コーデックはapt-XとSBCをサポート。圧縮音源の音を改善する「ミュージック・エンハンサー」機能も「YSP-2200」から継承した。
また上位モデル同様、スマートフォン/タブレットからBluetoothを介して「YSP-2500」を操作することが可能。専用アプリ「HOME THEATER CONTROLLER」の「YSP-2500」対応バージョンは7月9日に公開される予定だ。
本体重量は、センターユニットが4キログラム。サブウーファーは7.9キログラム。専用リモコンのほか、1.5メートルの光デジタルケーブル、インテリビームマイク、簡易マイクスタンド、サラウンド確認用DVD、滑り止めパッド8個などが付属する。
なおヤマハでは、初代デジタル・サウンド・プロジェクター「YSP-1」の登場から10周年を記念して、同日より特設サイト「YSPのすべて」を公開している。
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