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“猫砂”もクリアビンにまっしぐら――開発者が語る「Dyson fluffy」(2/2 ページ)

» 2014年09月25日 14時57分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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各国のゴミを細かく検証

 デモンストレーションでは、国内で販売されている猫砂(猫のトイレ用、砂といっても大きめ)をたっぷりと床にまき、Dyson fluffyでサッと掃除してみせた。猫を飼っている人なら、床に飛び散ったトイレ用の猫砂を見てげんなりしたことがあるだろう。掃除機で片付けようとしてもヘッドに入っていかず、イライラしたこともあるかもしれない。しかしDyson fluffyは、とくにヘッドを持ち上げなくても先端で猫砂を押すことはなく、砂に乗り上げてガタガタするようなこともない。スムーズに一往復し、Dyson fluffyが通った後に猫砂はすっかりなくなっている。代わりにクリアビンには白い猫砂がたっぷりと入っていた。

デモンストレーション中。国内で販売されている猫砂を簡単に取り去る

クリアビン内には猫砂がたっぷり

 もちろん、床に落ちているゴミは猫砂だけではない。「国によって床の素材やゴミはさまざまだ。そこで行ったのは、各国でどういったゴミがあり、どのような違いがあるのかを検証すること。例えばシリアルの大きさ。米国のシリアルは大きく、次はイギリス、日本のものは小さいといった具合に違う。実際に何百ものシリアルの重さを測り、国ごと、床の種類ごとにデータをとって開発に反映した」。他にも、日本ならキャットフードや緑茶の茶葉なども調べたという。

 そして掃除後のメンテナンス性についても多くの検討を行った。Dyson fluffyは、従来機同様コインなどでロックを外せば容易にブラシバーを外すことができ、水洗いが可能。「300回は洗っても大丈夫。製品と同じだけの寿命を持っている」。ただし、洗うときに洗剤を使ってはいけない。

 一方、メインとなるボディー部分は従来機「DC62」とほぼ共通。駆動力を生むモーターは「DDM(ダイソンデジタルモーター)V6」で、15個のコーンを持つ「2ティアー・ラディアルルート・サイクロン」が吸い込んだ空気から微細なゴミを分離する仕組みも変わらない。ただし、新ヘッドのために調査した各国ごとのゴミの傾向を反映し、本体側のローカライズも行ったという。例えば米国向けの製品では、クリアビンとその内側にあるシュラウドと呼ばれるパーツの隙間を広げている。これはシリアルなど大きなゴミがクリアビンの中で詰まらないようにするためだ。

メインとなるボディー部分は従来機「DC62」とほぼ共通

 さまざまな調査と技術開発によって作られたDyson fluffyは、10月14日から同社直販サイトで、また10月23日から全国の家電量販店などでも販売を開始する予定だ。価格は7万4800円から。グラント氏は、「日本は製品の価値をしっかり評価してくれる市場。そしてDyson fluffyは、微細なゴミから大きなゴミまで吸引できるという、他にはない価値をもっている」と新製品の売れ行きにも自信をみせた。

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