ティアックは10月25日、ハイレゾ対応ポータブルプレイヤー「HA-P90SD」を発表した。先日の「オーディオ・ホームシアター展」で参考展示した“ハイレゾプレイヤー搭載のポータブルアンプ”。シルバーとレッドの2色を12月に発売する。価格はオープン。店頭では7万円前後になる見込みだ。
同社のUSB-DAC搭載ポータブルヘッドフォンアンプ「HA-P50」にハイレゾプレイヤーを合体させたような製品。単体でDSDを含むハイレゾ再生が行えるほか、PC/MacとUSB接続して、あるいはiOSやAndroidなど幅広い機器と組み合わせてハイレゾ再生が楽しめる。
汎用性の高い製品に仕上げた点について同社では、「ハイレゾ再生を普及させるため、さまざまな用途に使えるものにするべきと考えた。同時にアナログ部にこだわりたかった」と説明している。また同社として初めてアナログデバイセズのBlachfinプロセッサ「BF606」を採用し、組み込みOSと合わせて低消費電力化や操作レスポンスの向上など多くのことを実現したという。
DACにはバーブラウンの「PCM1795」を採用。アシンクロナス転送モードに対応し、44.1k/48kHzそれぞれのマスタークロックを搭載している。音源によってクロックを切り替えることでクリアなD/A変換を可能にするという。
内蔵メモリは搭載せず、側面にmicro SDXC対応スロットを1基装備。対応ファイルは、最大192kHz/24bitのWAV、最大96kHz/24bitのFLAC、5.6MHzまでのDIFFおよびDSFなど。なお、FLACの192kHz対応も後日ファームウェアアップデートで対応する予定だ。
パワーアンプは、プッシュプル回路とオペアンプによるディスクリート構成で、オペアンプにはバーブラウンの「OPA1602 SoundPLUS」を採用している。出力は170ミリワット+170ミリワットと「他社製品と比較して余裕のある高出力」とアピールしている。幅広いイヤフォン/ヘッドフォンに対応するため、4段階の最大出力アッテネーターと2段階の出力ゲイン調整を搭載している点も特徴だ。対応するヘッドフォンアンプは、8〜600オームとなっている。
また、回路全体を通して音質重視の設計を徹底。デジタル部とアナログ部を分離したレイアウトや電源の低インピーダンス化、オーディオ用チップフィルムコンデンサーの採用などを挙げた。とくに電源の低インピーダンス化は低域の再現性向上に貢献したという。
ディスプレイはOLEDを使った単色(白)のシンプルなもので、タッチパネルなどは搭載していない。その代わり、オートプレイリスト機能を搭載し、起動時にファイルをサーチしてオートプレイリストを構築する仕組み。アルバムやジャンル、プレイリスト別のリストが表示され、そのときの気分や目的に合わせて選択できる。操作はフロントパネルのボタンと側面の「サイドのマルチウェイスイッチ」で行う。
入力も豊富だ。PC/MacやAndroid(要OTGケーブル)接続用のUSB-Micro Bのほか、3.5ミリステレオミニ、光/同軸デジタル、アナログライン入力、iOSデバイス接続用のUSB-A端子を備えた。iOSデバイスは、カメラコネクションキットを使わなくても5.6MHz DSDを含むハイレゾ再生が可能だ。対応ソフトウェアは、PC/Mac、およびiOS用に「TEAC HR Audio Player」を提供しているほか、新たにAndroid端末に向けても同ソフトを用意するという。
さらに他の製品にはない機能として、同軸デジタル出力端子からDoP出力が可能になるという(DSD 2.8MHzまで)。後日ファームウェアアップデートで対応する予定で、エソテリック製アンプなどとの動作を検証済み。この機能により、「外出先で聞いていたファイルをそのまま自宅のステレオセットでも聞くことができる」。
電源は3460mAhのリチウムイオンバッテリー。iOSデバイス接続時で最長7時間の連続再生が可能だ(DSDネイティブ再生時は約6時間)。また背面には急速充電可能なアダプター用端子付きで、充電中しながらでも再生が続けられるなど、据え置きとモバイルの両方を意識した仕様になっている。
本体サイズは69.6(幅)×123(奥行き)×21.5(高さ)ミリ。重量は280グラム。
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