韓国iriverの“Astell&Kern”ブランドから初のデスクトップオーディオ製品となる「AK500N」が登場した。近未来的なデザインが印象的な多機能ネットワークプレイヤーだ。受注生産品で2015年1月から受付を開始する計画。発売日や価格は改めて発表する予定だが、1TバイトSSD搭載の場合で160万円前後になる見込みだ。
特徴的な外観は、「AK240」と同じデザイナーが手がけたもの。「マッターホルンにインスパイアされ、エッジングによって“時間の経過とともに変化する光と影”を具現化した」(同社)という。その筐体(きょうたい)はすべてアルミで作られており、中でもフロントパネルは約4センチもの厚みを持つアルミ板から削り出しているという。
同社は便宜上、AK500Nを「ネットワークプレイヤー」と称しているが、機能的にはDLNAのDMS(サーバ)、DMC(コントローラー)、DMR(レンダラー)をサポートしている。さらにバランス出力に対応したプリアンプやUSB-DAC機能なども備えた。同一ネットワーク内にあるPCやNASに保存されている音源のストリーミング再生が行えるほか、ダウンロード再生も可能になっている。
DACはCirrus Logicの「CS4398」を2基搭載。DSD64(2.8MHz)およびDSD128(5.6MHz)のネイティブ再生に対応するほか、384kHz/32bitまでのWAV、352kHz/24bitまでのFLACをDSD64に変換して再生するか、192kHz/24bitにダウンコンバートして再生することができる。
内部には4つのSSD用ベイを備え、ストレージとして4TバイトまでのSSDを内蔵可能(RAID 0、5対応)。また、CDドライブを搭載しているものの直接CDを再生することはできず、すべて一度リッピング後に内蔵ストレージから再生する仕組み。また据置型でありながらノイズアイソレーションを目的に内蔵バッテリーで駆動させるなど、音質を最優先としたユニークな仕様だ。なお、内蔵バッテリーでは約7時間の連続再生が可能で、バッテリー残量が5%を切らないと充電を開始しない設定になっている。
来日したiriverのバイスプレジデント、James Lee氏は、「これまでポータブルオーディオ機器の発表で頻繁に来日していたが、『家庭用オーディオシステムも出してくれ』という要望が多かった。日本で“フルコンポーネント”の500Nを世界で始めてお披露目できることがうれしい」と挨拶した。
フルコンポーネントというのは、「AK-500N」はステレオアンプの「AK500A」と電源ユニット「AK500P」の3つを重ねて完成形になるためだ。7月にプロトタイプを公開した際もコンセプトだけは明らかにしていたが、3つのコンポーネントを並べた状態で披露するのは始めて。アンプや電源ユニットは2015年年明け以降に順次発表する予定で、価格などの詳細は未定となっている。なお、バッテリー駆動を基本とするAK500Nに電源ユニットを追加することについては、「バッテリー駆動よりもさらに強力でピュアな電源を作成する」と説明している。
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