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Astell&Kern初のネットワークプレイヤー「AK500N」登場――1TバイトSSD内蔵モデルで160万円から

» 2014年12月12日 12時30分 公開
[ITmedia]

 韓国iriverの“Astell&Kern”ブランドから初のデスクトップオーディオ製品となる「AK500N」が登場した。近未来的なデザインが印象的な多機能ネットワークプレイヤーだ。受注生産品で2015年1月から受付を開始する計画。発売日や価格は改めて発表する予定だが、1TバイトSSD搭載の場合で160万円前後になる見込みだ。

3つ重なったコンポーネントのうち、最上段が「AK500N」。その下は今後発売予定のステレオパワーアンプと別体電源ユニット。色は写真のブラックの他、ホワイトを用意する

 特徴的な外観は、「AK240」と同じデザイナーが手がけたもの。「マッターホルンにインスパイアされ、エッジングによって“時間の経過とともに変化する光と影”を具現化した」(同社)という。その筐体(きょうたい)はすべてアルミで作られており、中でもフロントパネルは約4センチもの厚みを持つアルミ板から削り出しているという。

ボディーは総アルミ製

本体上面には、可動式のタッチパネル付き液晶ディスプレイ(1280×800ピクセル)を装備。側面にボリュームダイヤル、前面にはスロットイン式のCDドライブを設けている

 同社は便宜上、AK500Nを「ネットワークプレイヤー」と称しているが、機能的にはDLNAのDMS(サーバ)、DMC(コントローラー)、DMR(レンダラー)をサポートしている。さらにバランス出力に対応したプリアンプやUSB-DAC機能なども備えた。同一ネットワーク内にあるPCやNASに保存されている音源のストリーミング再生が行えるほか、ダウンロード再生も可能になっている。

 DACはCirrus Logicの「CS4398」を2基搭載。DSD64(2.8MHz)およびDSD128(5.6MHz)のネイティブ再生に対応するほか、384kHz/32bitまでのWAV、352kHz/24bitまでのFLACをDSD64に変換して再生するか、192kHz/24bitにダウンコンバートして再生することができる。

内部には4つのSSD用ベイを備えているが、増設などはサポートに頼むことになる(左)。内蔵バッテリーで駆動する(右)

 内部には4つのSSD用ベイを備え、ストレージとして4TバイトまでのSSDを内蔵可能(RAID 0、5対応)。また、CDドライブを搭載しているものの直接CDを再生することはできず、すべて一度リッピング後に内蔵ストレージから再生する仕組み。また据置型でありながらノイズアイソレーションを目的に内蔵バッテリーで駆動させるなど、音質を最優先としたユニークな仕様だ。なお、内蔵バッテリーでは約7時間の連続再生が可能で、バッテリー残量が5%を切らないと充電を開始しない設定になっている。

リッピングエンジン「cdparanoia」を搭載し、ワンクリックでCDをWAVもしくはFLACで取り込める。「エンハンスドジッターとエラー訂正で完璧なリッピングをサポートする」という。もちろんグレースノートからアルバムアートや曲情報をインポートすることもできる(左)。入出力の切替をタッチパネルで行える(右)

背面や側面に入出力端子を装備

パワーアンプや電源ユニットもラインアップ

 来日したiriverのバイスプレジデント、James Lee氏は、「これまでポータブルオーディオ機器の発表で頻繁に来日していたが、『家庭用オーディオシステムも出してくれ』という要望が多かった。日本で“フルコンポーネント”の500Nを世界で始めてお披露目できることがうれしい」と挨拶した。

iriverのバイスプレジデント、James Lee氏(左)。「AK-500N」のほかにステレオアンプの「AK500A」と電源ユニット「AK500P」を今後発売する(右)

 フルコンポーネントというのは、「AK-500N」はステレオアンプの「AK500A」と電源ユニット「AK500P」の3つを重ねて完成形になるためだ。7月にプロトタイプを公開した際もコンセプトだけは明らかにしていたが、3つのコンポーネントを並べた状態で披露するのは始めて。アンプや電源ユニットは2015年年明け以降に順次発表する予定で、価格などの詳細は未定となっている。なお、バッテリー駆動を基本とするAK500Nに電源ユニットを追加することについては、「バッテリー駆動よりもさらに強力でピュアな電源を作成する」と説明している。

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