米DTSは、新しいサラウンドフォーマット「DTS:X」(ディーティーエス エックス)の詳細を発表した。同社が2012年にSRSを買収した際に入手した“マルチディメンショナルオーディオ”技術を用いたオブジェクトベースの音響技術で、映画館やホームシアター向けに提供される。対応するAVアンプなども2015年中に登場する見通しだ。
DTS;Xの特徴は、「包み込むようなサウンド」(同社)とスピーカー配置の柔軟性。DTSの会長兼CEOのJon Kirchner氏は、「今までにない真の三次元音響体験を実現し、オーディエンスはまさにそのシーンの真っ只中にいる感覚を体験することができる」としている。
DTSでは、各地域のパートナーと手を組んでDTS:Xの映画館への導入を進めるほか、ホームシアター向けにも訴求する構え。既に日本企業を含む多くのAVアンプメーカーがサポートを表明しており、2015年中に新製品をリリースするか、既存製品のファームウェアアップデートで対応する予定だ。いずれの製品も11.2chのスピーカー出力チャンネルをサポートするという。
ブランド | DTS:X対応状況 |
---|---|
デノン | 「AVR-X7200W」(本年中にDTS:Xファームウェア アップグレード予定) |
インテグラ | 2015年秋までに複数モデルを市場投入予定 |
マランツ | 「AV8802」(本年中にDTS:Xファームウェア アップグレード予定) |
オンキヨー | 2015年秋までに複数モデルを市場投入予定 |
パイオニア | 詳細は後日発表予定 |
スタインウェイ・リングドーフ | 2015年夏に「P200」サラウンド音響プロセッサ発売、2015年秋にDTS:Xファームウェアアップグレード予定 |
シータ・デジタル | 2015年夏に「Casablanca IVa」提供予定 |
トリノフ・オーディオ | 「Altitude32」(2015年夏にDTS:Xファームウェアへのアップグレード予定) |
ヤマハ | 2015年秋、DTS:X対応モデルを市場投入予定 |
また同社は、DTS:Xの基幹技術となるオブジェクトベースオーディオ制作のためのオープンプラットフォーム「MDA」を映画制作スタジオなどにライセンスフィーなしで提供することで普及を促進する。MDAでは、従来のチャンネルベースサラウンドと新しいオブジェクトベース技術を組み合わせ、「一度でミックス」することが可能。同じコンテンツを映画館のみならずストリーミング用、放送用、光学ディスク用などに使用できるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR